新興国社債から生じる巨額キャッシュ、再投資へ機熟す-JPモルガン

  • 少なくともこの6年間で最大の規模へ-05年以降で最速のペース
  • 新興国社債の年初来リターンはここまでマイナス3.2%

新興国の社債ファンドに償還・利息資金が再投資される動きが加速しており、1-6月(上期)のマイナスリターンを埋めるのに寄与する可能性があると、JPモルガン・チェースはみている。

  JPモルガンが提供したデータによれば、新興諸国の社債から生じるキャッシュは今年16%増の2670億ドル(約29兆5000億円)となる見通し。これは2015年以来のペースで、少なくともこの6年間で最大規模になるとみられる。その資金の大部分がキャッシュにとどまるとしても、世界的な貿易摩擦と米金利上昇局面で企業側の起債が低調な現状を勘案すると、一部が流通市場へ向かうのは確実だ。
              

Cash Flows

Increasing cash flows may support EM corporate bonds if investors re-invest

JPMorgan Chase

  同行の中東欧・中東・アフリカ担当債券資本市場責任者、ステファン・ワイラー氏は「分割償還の一部は持続的な資金流出の穴埋めに利用される必要があるかもしれないが、キャッシュフローの大部分は再投資に回ると仮定して差し支えないだろう」と説明。「もちろん流出に歯止めをかけなければならないが、その唯一の手段はパフォーマンスをプラスにすることだ」と語った。
 
  新興国社債の年初来リターンはここまでマイナス3.2%となっている。これに対し米国のハイイールド社債は0.1%未満のプラスリターン。国際金融協会(IIF)によると、米中の貿易摩擦やドル強含みの影響で、非居住者ポートフォリオの新興諸国からの資金流出は6月に80億ドルと、5月の63億ドルから増加し、16年以降で最悪の四半期となった。

  ワイラー氏は、貿易摩擦の緊張が緩和し、為替のボラティリティーが低下すれば資金の流れは年内に反転し、最大で600億ドルが流入すると予想している。

原題:JPMorgan Sees $267 Billion of EM Cash Ripe for Reinvestment (2)(抜粋)

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