西日本豪雨で企業の生産停止相次ぐーマツダや三菱重、IHIなど影響

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  • マツダは広島本社工場と防府工場の操業を10日まで停止
  • 死者87人、安否不明68人ー交通や通信インフラも混乱
Photographer: Carl Court/Getty Images AsiaPac

西日本を中心とした豪雨被害の影響が企業の生産活動にも広がっている。生産拠点に直接被害が及んでいない場合でも、部品調達先からの納入の遅れや社員が被災したことなどが影響している。政府の発表によると、全国で87人が死亡したほか13人が心肺停止、68人の安否が不明となっている。

  マツダは7日から停止している本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)の稼働を10日の夜間操業まで見合わせることを決定した。広報担当の原ゆかり氏によると、11日以降についてはあす判断する。稼働に影響するような設備への影響はないものの、物流に問題が発生しており情報収集を進めるほか、数十人の従業員の家屋に浸水などが起きているためとしている。

倉敷市の状況(8日撮影)

Photographer: Carl Court/Getty Images

  トヨタ自動車傘下のダイハツ工業も部品供給への影響により、大阪府池田市の本社工場のほか京都、滋賀第二、大分工場の9日昼間の操業を停止した。トヨタ広報担当の喜多亜貴子氏は、同日夜間については稼動することを決定したことを明らかにした。トヨタ自動車九州広報担当の北村大次氏は、同社の福岡県内3工場の稼動について、6日の夜間から停止していたが9日に再開したと話した。

  パナソニックは業務用テレビカメラなどを製造する岡山工場の操業を土曜から停止中。近隣の河川が氾濫したことで1階部分が股下程度まで浸水し、電力供給も止まっているためだという。広報担当の刑部智恵子氏が明らかにした。

  三菱重工業では広島県三原市で交通システムや印刷機械の製造を手掛ける3工場の稼働が停止。広報担当の柳部美樹氏によると、工場に物的な被害はないものの地域一帯で断水が発生しているためとしている。

IHIは呉第二を停止

  IHIは9日、航空エンジン部品やガスタービンを製造している呉第二工場(広島県呉市)の稼働を止めた。広報担当の本田昂大氏は、断水の影響のほか従業員の出社が困難になっているためと話した。設備への被害はないものの、10日以降の稼働については未定だという。

  JFEホールディングス傘下のJFEスチールは、安全確認のため休止していた西日本製鉄所(広島県福山市、倉敷市)の一部生産設備を順次復旧させている。同社は設備には損傷はなかったものの安全確認のため停止していた。

  JR西日本の広報担当、鈴木祐介氏によると、広島、山口、岡山県などで在来線の運休や遅れが発生。橋が流されたり、土砂が流入したりしている。電気設備の水没も発生しており、復旧までには時間がかかる見通しとしている。JR九州でも福岡、佐賀、熊本県内の一部路線が運休。西日本高速道路は9日午前、九州、東九州、山陽自動車道などで一部区間が通行止めとなっていると発表した。

ガソリンや軽油不足も

  セブン&アイ・ホールディングスは9日午前7時時点で、岡山、広島、山口県などで計17店舗が休業。配送などで最大1時間半程度の遅れが出ており、一部の店舗では商品の未納も発生している。広報担当山口匠氏が明らかにした。ローソンは8日午後5時時点で23店舗が一時休業した。

  NTT西日本は、一部地域で通信サービスが利用できない状況だと発表。電話とインターネットサービスを合わせて計約1万2000回線が影響を受けているという。NTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクの3社によると、京都府、広島、岡山、山口、島根、高知、徳島、愛媛県など9府県で携帯電話が利用しづらい状況が発生している。

  経済産業省によれば、9日午前6時時点で広島県を中心に中国電力管内で約8200軒が停電。広島県三原市内では変電所が水没しており、復旧までに数日かかる見込みとしている。四国電力管内でも4400軒が停電。また昭和シェル石油の広島油槽所(広島県安芸郡)では、土砂崩れの影響で油槽所前の国道が通行止めとなっており供給を見合わせている。また、この通行止めの影響で広島県呉市でガソリンや軽油が不足し始めているという。

(ダイハツやパナソニックの工場の状況について情報を加えて記事を更新します.)
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