貿易戦争開始で米10年債利回り2.75%に低下か-今週フラット化進行も

  • 6日の関税発動後、2-10年債利回り格差が07年以来最小を記録
  • 12日発表の6月の米CPI、予想大きく上回れば利回り押し上げも
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

米10年国債利回りは低下し、節目の3%からますます離れている。米中間の貿易戦争激化の様相を受け、トレーダーらは米国債相場の一段の上昇を見込んでいる。

  米10年債相場は週ベースで4週連続上昇、今年に入って最長の値上がりを記録した。利回りは2.82%と、5月半ばに記録した約7年ぶり高水準の3.13%から大きく低下。米中間の関税応酬が経済に与える影響を見極めたい投資家は引き続き米国債に資金を逃避させ、保護主義による市場混乱リスクをヘッジする公算が大きい。

  コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツとモルガン・スタンレーは、米10年債利回りが今週、3カ月ぶり低水準となる2.75%を試すとみている。コロンビア・スレッドニードルの運用担当者ジーン・タヌッツォ氏は12日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)に急上昇が見られない限り、米国債は買い手を引き付けるとみる。

  同氏は「どこかの時点で冷静さは取り戻されるだろうが、今はそちらには向かっていないようだ。何らかの保険付きで、利回りに低下余地がある市場を好むなら、米国債はリスクが報われる最高の避難場所だ」と語った。

  10年債利回りは先週2.8053%まで低下、2年債との利回り格差が07年以来最小の27ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満となって、イールドカーブ平たん化が一段と進んだ。米国が6日、中国からの輸入品340億ドル(約3兆7600億円)への追加関税を発動し、中国が報復措置に踏み切ったためだが、トランプ政権は追加関税を辞さない構えだ。

  12日発表の6月の米CPIは市場予想が前年同月比2.9%上昇と、12年以来のハイペース。モルガン・スタンレーの金利戦略グローバル責任者、マシュー・ホーンバック氏はCPIインフレ率が予想を大きく上回れば米国債利回りが押し上げられ得るとみるものの、前月比で0.2%上昇の市場コンセンサスどおりが基本シナリオとする同氏は、市場の注目先は引き続き貿易摩擦だろうとして、10年債利回りが2.75%を試すと予想した。

原題:As Tariffs Kick In, Bond Traders Only See Fuel for the Rally(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE