ドル110円半ば、売り先行後は株高でリスク選好支えー欧州通貨は上昇

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  • 早朝の110円53銭から一時110円30銭まで下落後は戻してもみ合い
  • 内外株価は上昇している流れだがドル・円の上値は重いーソシエテ

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=110円台半ばでもみ合った。前週末の米雇用統計で賃金の伸びが市場予想を下回ったことなどを背景に円買い・ドル売りが先行。その後、内外株価の上昇を受けたリスク選好の動きから値を戻した。

  9日午後3時15分現在、ドル・円は前週末比ほぼ横ばいの1ドル=110円50銭。早朝に付けた110円53銭から一時110円30銭まで下落した。その後は、110円台半ばまで水準を切り上げたものの、上値は限定的だった。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「内外で株価は上昇している流れだが、ドル・円の上値は重い」と指摘。米国主導の輸入関税問題については、「今後の経過を見る局面に入り様子見の状況。米中だけでなく米・欧州連合(EU)や日米についても注目される。米中協議が出ればポジティブ要因でドル・円の上値を伸ばしやすくなるが早期に動きが出るか微妙」と語った。

  9日の東京株式相場は続伸。日経平均株価は前週末比264円04銭(1.2%)高の2万2052円18銭で引けたほか、中国上海総合指数、米国株先物も上昇幅を拡大している。米10年債利回りはこの日の時間外取引で、一時2ベーシスポイント(bp)高の2.85%程度まで上昇した。

  りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは、現在の日米金利差やファンダメンタルズを踏まえると、「ドル・円はわりとリーズナブルな位置」と指摘。「先行き少し米利上げは難しくなりつつあるという見方を含めて少しずつ慎重になっている感触があるが、足元の貿易に絡む不透明感が落ち着いてくれば、米10年債利回りの3%%乗せ、定着の可能性はまだ十分ある」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.1776ドル。一時は1.1779ドルと6月14日以来のユーロ高値を付けた。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、ユーロ・ドルについて、「5、6月に1.1500ドル割れを試したものの割れずに戻りを試す展開になっている。足元で1.1600ドル割れが止められ、1.1800ドルへの反発を試す流れ」と語った。

  ポンド・ドル相場も0.3%高の1ポンド=1.3323ドルと上昇しており、一時1.3330ドルと約3週間ぶりのポンド高値を付けた。ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、「ポンドやユーロなど欧州通貨は上昇しているが、ドル安地合いの裏返し。デービス英EU離脱相辞任はネガティブな報道だが、ポンド・ドルの反応は限定的。これまでの英国のEU離脱の前提が崩れた訳でもない」と述べた。

デービス英EU離脱担当相辞任についての記事はこちらをご覧下さい。

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