英のEU離脱担当閣僚辞任、関係維持方針に反発-メイ首相に打撃

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  • デービス担当相と側近のスティーブ・ベーカー次官が共に辞任
  • メイ首相の政策は英国を離脱交渉で「弱い」立場に置く-デービス氏

英国のデービス欧州連合(EU)離脱担当相

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

英国のデービス欧州連合(EU)離脱担当相と側近のスティーブ・ベーカー次官が8日、共に辞任した。EUから穏健に離脱するメイ英首相の計画に抗議する動きで、首相は離脱に向けた交渉戦術と求心力両面で二重の痛手を受けた。

  デービス氏はメイ首相に宛てた辞表で、「政策の全体的方向は英国の交渉の立場を弱らせるだけだ」と指摘。全ての物品や農業食品について離脱後もEU規制を採用するメイ首相の案では「英経済の大部分の支配権をEUに渡すことになり、英国法の支配を本当の意味で取り戻すことにならないのは明白だ」と述べた。辞表は首相府が公表した。

  辞任の2日前にメイ首相は、離脱後のEUとの緊密な関係を維持する計画について内閣の支持を取り付けていた。デービス、ベーカー両氏は長年ユーロ懐疑派で、同政策を支持できないと判断したと事情に詳しい関係者1人は明らかにした。

  メイ首相は辞表への返事で、デービス氏の辞意を「遺憾」だと述べた上で、「6日の閣議で合意した政策に関するあなたの説明には同意しない。政府がまとめた合意について議会は支持するかどうかを決めるが、この合意はEUから英国に権限を取り戻すことを間違いなく意味するものだ」と強調した。

  デービス氏やベーカー氏ら保守党のEU離脱推進メンバーは、物品の取引についてEUルールを維持し、EU加盟の他の27カ国との緊密な関税の取り決めを採用するメイ首相の計画に深い懸念を抱いていた。離脱推進派は英国がEUから明確に分離し、他国との新しい通商協定や、欧州の影響力を受けない独自の立法を目指すべきだと考えている。

  デービス、ベーカー両氏の8日の辞任はメイ政権の路線を狂わせる恐れがあり、首相更迭を試みる動きにつながりかねない。メイ首相はEUとの交渉前進を目指しており、離脱に関するEUとの合意は15週後までにまとめる必要があるが、克服すべき大きな障害はまだ残る。

原題:U.K Brexit Ministers Quit in Protest, Throwing May Into Crisis(抜粋)

(辞表やメイ首相のコメントなどを追加して更新します.)
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