香港当局、遊休物件への課税策導入-住宅価格沈静化見込めずとの見方

  • 完成後半年超の空室物件に賃料の2倍ないし物件価値の約5%課税
  • 香港の住宅価格はこの5年で50%余り上昇、不動産ブーム抑制が課題

香港当局は遊休状態の新築集合住宅に課税する計画を打ち出したが、加熱する同市の住宅市場にはほとんど効果をもたらさない可能性がある。

  林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は先月29日、世界一敷居が高い香港不動産市場への供給押し上げを狙ったより広範な取り組みの一環として、同課税策を発表。ただ、ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースのアナリストは導入後も住宅価格の高騰に歯止めはかからないとみている。

  香港の議員にとって同市の不動産ブーム抑制は最大の課題の1つだ。ここ数年にわたって市場沈静化に向け一連の措置が打ち出されてきたが、慢性的な住宅供給不足で需要が急増する中でこうした措置が奏功せず、住宅価格はこの5年で50%余り上昇した。

  最新の規制の下では、完成から半年以上買い手が付かない物件は想定年間賃料の2倍ないし物件価値の5%程度の税金が課される。これについてアナリストらは、その程度のコストなら不動産開発業者は十分耐えられると予想している。

  JPモルガンの不動産・複合企業担当調査責任者、梁啓棠(クッソン・レオン)氏(香港在勤)は、大半の空室物件は高価値不動産で賃貸利回りが低めの傾向にあり、不動産価値に占める課税比率も低いと分析した。

  また、モルガン・スタンレーのアナリストはリポートで、香港の税率がシンガポールを下回ると説明。シンガポールで空き物件に対する税率は、完成後2年間は4%だが、4年後も空室なら12%に跳ね上がる。

Less Burdensome

Hong Kong's vacant-apartment tax is lower than Singapore's progressive rate

Source: Morgan Stanley research

Note: Tax as percentage of property value

  新たな課税案は議会の承認を受ける必要があり、不動産開発業者は空き物件を売却するのに6-9カ月の猶予がある。

  3月時点でプライマリー市場における空き物件は9000戸で、うち約3分の2が2017年以降に完成した。不動産開発業者は政府が見込んでいるほど急いで売却する必要はないかもしれないと、ゴールドマンはみている。

原題:Don’t Expect Hong Kong’s Vacant-Home Tax to Cool Prices (1)(抜粋)

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