2%実現には相応の時間、強力な緩和を息長く続ける:政井日銀委員

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  • 持続可能な形で強力な金融緩和を息長く続けることが適当
  • 総括的な検証と長短金利操作導入は政策の持続性高めた
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の政井貴子審議委員は5日、松本市で会見し、量的・質的金融緩和を始めて5年がたち、効果も副作用も累積していると述べ、金融政策決定会合で今まで以上に精査する姿勢を示した。

  政井委員は、2016年9月の総括的な検証と長短金利操作の導入は「政策の持続性を高めた」としつつ、「効果も累積的に出てきている半面、副作用も累積的に出てきている部分もあろう」と指摘。毎回の決定会合で「常にその二つを従来以上に子細に検討した上で、総合的な判断で最も適切な政策を判断していく」と述べた。

  会見前の講演では「持続可能な形で強力な金融緩和を息長く続けることが適当」と説明していた。

  副作用を巡っては、原田泰審議委員が前日の会見で、「あらゆる面で日本経済にとって良いことが起きている」として、「副作用は効果に比べて非常に小さい」との見方を示した。6月14、15両日開かれた決定会合の主な意見によると、物価の低迷を受けて追加緩和を示唆する委員もいた一方、複数の委員が副作用に言及した。

  講演では、政井委員はデフレマインドが根強い状況が続いているため、2%の物価安定目標の実現には「相応の時間がかかる」と分析。「確実なデフレからの脱却は日本経済にとって積年の課題であり、極めて重要」と指摘した。

  足元の物価動向については、従来の想定と比較して「若干弱めの動きとなっている」としつつ、「物価上昇に向けたモメンタムは引き続き維持されている」と話した。リスク要因として米国の経済政策運営や2019年10月に予定される消費税率引き上げの影響を挙げた。

   日銀が4月末時点で示した消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の見通し(政策委員の中央値)は今年度が1.3%上昇、来年度が消費増税の影響を除いて1.8%上昇だった。5月のコアCPIは前年比0.7%上昇にとどまり、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIが0.3%上昇と2カ月連続で鈍化した。

(政井委員の会見での発言を追加し見出しと全文を差し替えます.)
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