Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

カタツムリの歩みで忍び寄る「信用収縮」-世界的なセルオフが示唆か

  • ボラティリティーや新興国市場、仮想通貨はより大きな不調の兆しか
  • HSBCはドイツ国債利回り見通しを下げ、クレジットにより弱気に

債券リサーチの第一人者として知られる英銀HSBCホールディングスのスティーブン・メージャー氏らは、株式相場急落やボラティリティーの急激な高まり、仮想通貨の価格崩壊は偶然の一致ではなく、いずれも世界的なクレジットクランチ(信用収縮)が起きつつある兆候だと指摘した。カタツムリのようにゆっくりしたペースで事態が進行しているだけだという。

  メージャー氏らのチームは、世界のリスク市場で見られるセルオフ(大量の売りによる急落)の「ロングリスト(一覧表)」について、ドルの流動性逼迫(ひっぱく)に伴う混乱の兆しと受け止めている。こうした状況に対応し、同氏らはドイツ国債の利回り見通しを引き下げ、クレジットに一層弱気になり、新興国市場債への警戒も一段と強めた。

  HSBCで債券リサーチのグローバル責任者を務めるメージャー氏は4日のリポートで、「市場参加者は通常、循環的データや偶発的なイベントから予測の妥当性を確認しようとするが、現実は違うことがあり得る。われわれはスローモーションで進行するクレジットクランチのただ中にあるようだ」と分析した。

  こうした懸念は、金融市場の至る所で拡大するより広範な不安を反映している。米国の金利上昇やイージーマネー(低利で楽に手に入る資金)時代の終わり、既存の貿易秩序に挑戦するトランプ米大統領のアプローチといった要因が複合的に作用し、よりリスクの高い資産から資金流出を促している。

  HSBCがドイツ10年国債の年末時点の利回り見通しを0.75%から0.4%に引き下げたのは、リスクテーク意欲の減退も理由の一つだ。欧州中央銀行(ECB)の利上げ予想の下向き修正やドイツ連立政権がさらなる混乱に見舞われる可能性も確信を強める方向に働き、10年国債利回りは短期的に0.2%を目指して低下すると予測している。

原題:‘Slo-Mo Credit Crunch’ Has Already Taken Hold, Bond Guru Says(抜粋)

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