アジア太平洋の年金基金が株式保有削減へ-米中緊張や景気減速を警戒

  • 豪州最大の基金、今後1年で株式配分を約62%から約55%へ-CIO
  • ファンドが離れる影響は甚大、相場は一層不安定にも-光銀国際投資
A man looks at stock information displayed on an electronic board at the Australian Securities Exchange, operated by ASX Ltd., in Sydney, Australia, on Tuesday, February 6, 2018. Photographer: Brendon Thorne/Bloomberg

アジア太平洋地域の年金基金が株式の保有を制限しつつある。世界的な景気減速懸念に加え、米国と中国の貿易摩擦を巡る不安が高まっているためだ。

  オーストラリア最大の年金基金は向こう1年で株式のエクスポージャーを減らし、債券と現金により多くの資金を振り向ける。タイの政府系年金ファンドは途上国の株式と債券を避け、フィリピン最大の年金ファンドは自国株式への投資を見送る。

  今週のインタビューや公式発言で明らかになったこうした動きは、米中間の緊張が高まり、投資家が世界の成長サイクルの終焉(しゅうえん)を意識する中、世界的な株式離れに拍車を掛ける。フィデリティ・インターナショナルは先月、株式の投資判断を「オーバーウエート」から「中立」に引き下げ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは一段と慎重姿勢に転じたと説明している。

  光銀国際投資の調査責任者、林樵基( バニー・ラム)氏は電話取材で、「これらの年金基金が株式市場から離れていく影響は非常に大きく、相場は一層不安定になる恐れがある」と指摘。「年金基金は足元で利益を確保して現金を持ち、押し目買いのより良い機会を待つ公算が大きい」と語った。
             

  1400億豪ドル(約11兆4200億円)を運用する豪州最大の年金基金、オーストラリアンスーパーのマーク・デラニー最高投資責任者(CIO)はメルボルンから電話で、成長サイクルの終わりが近づいていることは、株式のエクスポージャー削減を意味すると説明。向こう1年で株式への資産配分を約62%から約55%に引き下げるが、そのペースは米金融政策に左右され、「米当局が想定より速いペースで引き締めた場合、より短い期間で目標に到達する可能性がある」と述べた。

原題:Asian Pension Funds Cut Back on Stocks as U.S. and China Fight(抜粋)

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