債券上昇、好需給や米中貿易懸念-超長期利回りは1年半ぶり低水準

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  • 先物は2銭高の150円97銭で終了、一時約1カ月ぶり高値の151円台乗せ
  • 超長期は前日の30年入札で糸が切れたように利回り低下ー岡三証

債券相場は上昇。超長期債利回りは各年限ともに連日で1年半ぶり低水準を更新した。需給の良好さを背景に投資家などから超長期債を中心に買いが入ったことに加え、米国が中国への制裁関税を発動したことで世界景気に対する先行き懸念が出ていることも相場を支えた。半面、高値警戒感から午後に入ると上値の重い展開となった。

  6日の現物債市場で20年物の164回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.47%を付け、30年物の59回債利回りが0.665%まで、40年物の11回債利回りが一時0.785%まで低下し、いずれも新発債として2016年12月以来の低水準を連日更新。その後は高値警戒感から売りに押された。長期国債先物9月物は151円01銭と中心限月で6月1日以来の高値を付け、結局2銭高の150円97銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「超長期は前日の30年債入札でぷちっと糸が切れたように利回り低下が進んでいる。20年債利回りが0.5%を下回ってじりじり低下していたので、30年もついて行った感じだ。やはり20年債の0.5%割れが大きかった」と述べた。

  日銀はこの日、中期と超長期ゾーンを対象にした国債買い入れオペを実施した。残存期間1年超3年以下は2500億円、3年超5年以下は3000億円、10年超25年以下は1900億円、25年超は700億円と、いずれも前回と同額だった。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員は、「日銀が超長期ゾーンの国債買い入れオペを減額するとの観測が一部にあったが、減額は見送られたことも相場の堅調さにつながった」と指摘。「世の中の不透明感が強い時ほど債券の需要がある。米中の関税合戦に対する懸念が景気や設備投資にじわりじわりと出て来ている」と述べた。

日銀国債買い入れ結果はこちらをご覧下さい。

  トランプ米大統領は中国からの輸入品340億ドル(約3兆7600億円)への追加関税を発動し、世界的な貿易摩擦問題で最も大きな号砲を放った。一方、中国は米国の追加関税が中国企業に与える影響を検証すると商務省の報道官が語った。米国の追加関税発動後に匿名を条件に発言した。

  岡三証の鈴木氏は、「米中貿易摩擦は今後の展開次第だが、少なくともこれまでのような一本調子の景気拡大とはいかなくなる。米国でも来年に利上げ打ち止めの話が出てきており、基本的に債券相場はしっかり。米長期金利は上がらなくなった。米長期金利は基本的にはここから上下に大きくは動かないだろう。どこの国もフラット気味、日本でもということだ」と述べた。 

米中貿易摩擦に関する記事はこちらをご覧下さい。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.130%+0.5bp
5年債-0.120%+0.5bp
10年債 0.030% 横ばい
20年債 0.475% 横ばい
30年債 0.680% 横ばい
40年債 0.805%-0.5bp
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