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日本株下落、米中関税発動後の景気警戒-全業種安い、小型株下げ顕著

更新日時
  • 米国の対中発動期限迫る、下落率上位に輸出や資源など景気敏感株
  • TOPIXスモールが1.9%安、マザーズ指数は3.7%安に

5日の東京株式相場は下落。米国による対中国の追加関税発動期限が6日に迫り、通商摩擦が景気や企業業績に与える影響が不安視された。電機など輸出株、非鉄金属や石油など資源株、商社株など景気敏感セクター中心に東証1部33業種は全て安い。東証1部銘柄の9割が下げた。

  TOPIXの終値は前日比17.05ポイント(1%)安の1676.20と反落し、3月26日以来の安値。日経平均株価は170円05銭(0.8%)安の2万1546円99銭と3月5日以来の4日続落で、一時は2万1500円も割り込むなど4月4日以来の安値。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦シニアファンドマネージャーは、「米中追加関税の発動が不可避の情勢になってきたため、投資家が日本株のロングポジションを現物中心に解消する動きが出ている」と指摘。もともとグローバルな景気循環が下向きになってきている中、通商問題の深刻化で下向き角度が大きくなりかねず、「株価が割安に見える元となる今期1株利益が本当に確かなのか確信が持てないため、6日を通過しても市場全体が大きく反転するイメージが持ちにくい」と言う。

東証

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  中国財政省は4日、「われわれが最初の一発を打つことは決してなく、米国より早く関税を発動させることはない」と表明した。人民元の安定方針に続き、中国側が貿易問題を一方的にエスカレートさせないことを示唆し、けさの米S&P500種Eミニ先物は堅調推移。日本株も午前は小幅安で踏みとどまったが、午後は中国人民元高の勢いが弱まり、上海総合指数が下げ基調になると下げが拡大、日経平均は一時250円以上安くなった。

  水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「中国は敵意むき出しという感覚ではなく、米中通商問題のボールはトランプ米大統領に投げられた。トランプ大統領は最初に厳しい要求を出して最終的に軟化するだろうと考えていたが、現時点で状況に変化がない」と指摘する。6日に両国が関税発動した後の「来週はリバウンド相場に入ることも想定されるが、期限内の妥協を期待していた向きが一部にあり、あすの最初の市場反応は下げになる可能性がある」と予想した。

  下げが目立ったのは中小型株や新興市場株だ。TOPIXコア30指数の0.8%安、ミッド400の1.1%安に対し、スモールは1.9%下落。マザーズ指数は3.7%安、ジャスダック指数は2.1%安となった。三井住友アセットの平川氏は、「6月下旬にかけまず金融や外需、素材を売る動きがあった。足元はバリュエーションの高い内需株が売られ、特にきょうは内需の逃げ場になっていて含み益が出ていた中小型株の下げがきつい。通商問題に関係がないとみられていた銘柄すらもいったん外そうという動き」とみていた。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、非鉄金属、小売、電機、ゴム製品、卸売、その他金融、海運、陸運が下落率上位。売買代金上位では、中国・台湾での販売苦戦が懸念された良品計画、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を下げた太陽誘電、2019年5月期の業績計画が市場予想を下回ったアスクルが安い。良品計画の中国苦戦の連想でファーストリテイリング、資生堂など化粧品銘柄も下げた。半面、通商摩擦の影響は相対的に小さいと野村証券が指摘したコマツは堅調。

  • 東証1部の売買高は13億9609万株、売買代金は2兆2565億円
  • 値上がり銘柄数は185、値下がりは1883、全体の91%が下げた
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