日銀はピーターパンから聖書へ、原田委員が逸話で金融緩和批判に反論

  • 異次元緩和はインパール作戦ではない、不適切な比喩
  • 黒田総裁は15年、ピーターパンの物語の言葉を紹介

日本銀行はピーターパンの国から神話の世界へ住む場所を変えたようだ。原田泰審議委員は4日の講演で、聖書にあるキリストの逸話や神話を示して、異次元緩和への批判に反論した。

  原田委員は、ローマに税金を払うか問われたキリストが「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ」と言った逸話を紹介。反対論者は現行の枠組みを「神の領域を侵すものだと言いたいのかもしれません」と指摘した上で、貨幣に関わる金融政策は「神のものではなく人間のものだ。人間のものであれば、理論と事実に基づく議論を避けるべきではない」と述べた。

  神に挑戦した人間を描いた悲劇として旧約聖書のバベルの塔やギリシア神話のイカロス、ユダヤ教のゴーレムを紹介し、歌舞伎の雷神不動北山桜にも言及した。しかし、原田氏は異次元緩和は「自然の摂理を侵すような方策だろうか」と緩和に反対する見解に疑問を呈した。

  第2次世界大戦中に旧日本軍が惨敗したインパール作戦になぞらえて、異次元緩和の早期終了を唱える論者も批判。ほとんどの経済指標が改善しており、比較は「比喩のつかい方として誤り」と指摘した。

 黒田東彦総裁
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  黒田東彦総裁は2015年6月、ピーターパンの物語にある「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」という言葉を紹介し、注目を集めた。原田氏の講演も例を用いて金融政策を説明しようとしたが、講演後の会見では「いろいろ書いてあり分かりにくいかもしれない」と話した。

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