海外展開で現地物流企業と提携-アマゾンも視野:スタートトゥデイの前沢社長

  • M&Aは「今後もポジティブ」、海外工場や採寸技術持つ企業と
  • 海外事業は4年目以降の黒字化目指す、芸術活動で知名度向上も

スタートトゥデイの前沢友作社長は3日に開始した海外でのプライベートブランド(PB)商品販売の物流面では現地企業と提携する方針を示し、米アマゾン・ドット・コムも選択肢の一つとして考えていることを明らかにした。

  前沢氏は3日のブルームバーグのインタビューで、海外での物流網の整備について、「ゼロから物流センターを作っていくことにはならない。その地域の企業と提携していく」と発言。「アメリカ国内の全物流網では、アマゾンが1番クオリティーが高くコストも安く届けられるという状況になった際には、物流会社の一つとしてわれわれも使わせていただく可能性がある」と話した。

前沢社長

Source: Start Today

  アマゾンは出店企業のファッション関連商品の販売にも力を入れるが、前沢氏は「ライバルとは思っていない」とし、「物流の価値でアマゾンを超えるのはわれわれの勝負する場所ではない」と見ている。スタートTは国内の物流ではヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸と連携している。

  アマゾンは米国でトラックなど陸上の輸送手段にとどまらず貨物機を40機程度導入するなど独自の物流網強化に取り組んでいる。このほか、通販サイトに出品する企業や個人向けには、物流拠点での在庫管理から注文処理、発送から配送業務までを含めた物流代行業務も提供している。

提携工場の買収は選択肢

  同社は過去にもIT関連企業を中心に複数の合併・買収(M&A)を進めてきた。今後も「ポジティブにやっていきたい」と述べ、採寸能力を向上させる技術を持つ企業や製造拠点の整備につながる企業の買収などを検討していく考えを示した。

  国外の製造拠点として現在は中国と東南アジアにある複数の工場と提携関係を結んでいることを明らかにし、今後は世界中に分散する方針を明らかにした。ただ、生産量が多いにも関わらず自社ではないために制約も生じているため、「提携関係を深める中でM&Aという選択肢も出てくる」との考えを明らかにした。

  同社は海外ではPB商品の販売に注力する方針。体形を採寸できる「ゾゾスーツ」とプライベートブランド「ゾゾ」のジーンズやTシャツを無料配布するキャンペーンを72カ国で始め、キャンペーン終了後から販売を開始する予定だ。

  海外事業の収益については「3年間で強引に黒字にしようとは思っていない。3年間はトントンで良いというスケジュールと予算でやっている」と述べ、4年目以降から黒字化を目指す方針を示した。広告投資を抑制しゾゾスーツの無料配布など積極的に「体験」の提供に取り組むという。

  海外市場でもゾゾスーツを活用したサイズ感へのこだわりを武器にする考えだ。「ぴったりの服をここまでの低価格で提供しようとしている会社や人は見当たらない。そういう意味でニーズがあると思っている」と語る。

  岩井コスモ証券の岩崎彰シニアアナリストは、「インターネットで服を買うのにサイズ感は大きなネック」とし、この課題を解消できるのはスタートTだけと指摘する。「プライベートブランドよりもプラットフォームとして体形データで服を売る方向なので、うまくいったらすごい」との認識を示した。

  前沢氏は高額の美術品を購入していることでも知られ、今後は千葉県内に美術館を作る計画もあることを明らかにした。「アートの活動は比較的注目を集めやすい。そういうのも存分にゾゾブランドの認知のために活用していきたい」としている。

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