実効FF金利上昇、下期の米債券市場の要注意先に-政策手段再調整も

  • バランスシート縮小局面でのTB大量発行が実効レートの上昇招く
  • 前例なかったIOER引き上げ抑制、当局は再び実施の可能性
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

右肩下がりの逆イールドが起きるのではないかと米国債の利回り曲線が全ての注目を集めた最近は、債券トレーダーがフェデラルファンド(FF)金利の実効レート上昇に注意を払わなくても済んだかもしれないが、もはや、これを考えないわけにはいかなくなった。

  実効レートの上昇は6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利誘導目標管理に向けた前例のない措置実施を強いたが、このコントロールは一段と難しくなりそうだ。当局のバランスシート縮小が加速する中、米財務省短期証券(TB)の発行が引き続き膨らむためで、7-12月期に注目を集めるのはFF金利となりそうだ。

  政策ツールの調整からバランスシート正常化見通し、さらに米国の債務管理戦略へと、実効FF金利の影響は金融システムを通じて波及していく。TDセキュリティーズのシニア米金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「FF金利がエキサイティングになり始めている。短期金利市場が実効FF金利を押し上げるだろうし、当局のバランスシート」縮小もあると語った。

  実効FF金利は誘導目標上限まであと5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の水準まで上昇。これを抑制しようと米金融当局は6月、民間銀行の超過準備への付利(IOER)の引き上げ幅を抑えるという前例のない措置に踏み切った。同月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を締めくくるに当たり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は膨張する財政赤字穴埋めのためのTB大量発行が少なくとも、実効FF金利上昇の一部要因である公算が大きいとの認識を示した。

  JPモルガン・チェースの見通しによると、この7-12月期にTB発行は2900億ドル(約32兆円)相当増加の見込み。ドイツ銀行は償還分を差し引いた純増を1850億ドル相当と予想している。1-6月は約2000億ドルの純増

  DEショーのグローバル経済担当ディレクターで、ニューヨーク連銀で市場部門責任者を務めた経歴を持つブライアン・サック氏は「FF金利がどこで落ち着くかは誰にも正確に分からないが、上昇を続けると考えられる理由は複数あり、その場合、追加のIOER調整は十分あり得る」と述べた。TDのゴールドバーグ氏も米当局が9月にもIOERを再び調整するとみている。

原題:Rising Fed Funds Rate Is Reverberating Through Debt Markets(抜粋)

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