新発10年国債が売買不成立、今年6回目-米市場休場や人民元を見極め

  • 年間の過去最多回数2回をすでに上回る、最近は発生頻度増す
  • 異次元緩和の累積効果やYCC、国債決済短縮も影響-SMBC日興

この日の国債市場で新発10年物351回債は、日本相互証券を仲介する業者間の売買で取引が成立しなかった。日本銀行による大量の国債買い入れで市場に流通する国債が減少し、売買の厚みが乏しくなっている中、米国が独立記念日で債券を含む全市場が休場となることで取引が一段と手控えられた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、不成立となった背景について、日銀のイールドカーブコントロール(YCC)が効いていることに加えて、4日の米国市場が休場となることや下落が一服した人民元の動向を見極めようと取引が手控えられたのではないかと指摘した。

  新発10年物の取引不成立は、今年に入って3月13日、5月28日、同31日、6月11日、同13日に続く6回目。直近発行の10年国債利回りを長期金利の指標とする現行方式となった1999年以降で、これまでの年間の最多回数2回をすでに上回っている。直近1カ月半では5回と発生頻度が増している。

  SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、構造的要因として「異次元緩和の累積効果により、日銀が利付国債残高の4割強を保有し、民間が保有する市中国債残高の減少が続いている。長短金利操作の影響で10年債は0.0%台での安定推移が続き、投機的売買やヘッジニーズが大幅に減り、裁定取引の機会も減少。国債取引の決済期間短縮で新発10年債も翌日発行となり、業者がポジションを抱える必要がなくなっている」と説明した。

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