Photographer: Andrew Harrer / Bloomberg

FOMC議事録:米利上げの到達点の手掛かり提示か-5日に公表

  • インフレ巡る議論、今後の利上げペースのヒントになる可能性
  • 貿易摩擦激化やドル高、イールドカーブ平たん化もリスク要因に

Photographer: Andrew Harrer / Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)が5日午後2時(日本時間6日午前3時)に公表する連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、現行の引き締めサイクルで政策金利をどこまで引き上げるべきかについての議論が重要なポイントとなりそうだ。

  6月12、13両日の前回会合の議事録からは、米国と主要貿易相手国との間の摩擦激化やドル高、イールドカーブ(利回り曲線)平たん化に伴うリスクを巡る議論も明らかになる可能性があり、一連の問題への懸念によって利上げペース加速の見通しが後退するかもしれない。

  パウエルFRB議長は13日のFOMC後の記者会見で、利上げをどの時点で打ち止めにするかを決める上で鍵となる中立金利の水準について、金融当局者が正確に測定できるという考えに冷水を浴びせた。

  しかし、そういう事情があるからといって、当局者はこの問題に関する議論をやめてはいないと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米国担当シニアエコノミスト、ジョゼフ・ソン氏は指摘。「政策の道筋にとって引き続き重要なもので、当局者はなおも推計に努めるだろう」と語った。

  金融当局者は6月公表の最新の経済予測で、今年の利上げ回数の見通し(中央値)を計4回と、3月時点の計3回から引き上げた。どちらの回数になるかは実際のインフレ統計やインフレ期待に左右される公算が大きい。

  金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、先月29日に発表された5月の数値が前年同月比2.3%の上昇となり、上昇率は当局目標の2%を上回った。

  PNCファイナンシャル・サービシズ・グループのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は、金融当局がインフレ目標について、上下に対称的であるとして、インフレ率の多少の下振れと上振れの両方を容認する姿勢を特に強調してきた点に言及し、議事録からはインフレ加速に当局者がどう反応するかについて、何らかのシグナルを得られるかもしれないとの考えを示した。

  FRBウオッチャーは、通商摩擦激化の影響を当局者がどうのように評価しているかについてもさらなる情報をほしがっている。PNCのファウチャー氏は「米国の成長にそれほど影響はないというのが基本線だ」としつつも、「具体的な関税賦課と貿易相手国による報復がもっと増えてコストが一段と明らかになれば、それも変わる可能性がある」と話した。

  ドル高も金融当局者に見通しの再検討を促すかもしれない。主要通貨のバスケットに対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は4月半ば以降に6%前後上昇しており、元フィラデルフィア連銀スタッフで現在はウィルミントン・トラストのチーフエコノミスト、ルーク・タイリー氏は「利上げ加速の見通しを後退させるものだ」とコメントした。

  そして、米2年債と10年債を中心としたイールドカーブの平たん化の問題がある。パウエル議長をはじめとする当局者の大半は、長期金利を抑制している技術的理由を挙げ、このところの平たん化をとりわけ重要視してはいないが、投資家を安心させるには至っていない。

  ナティクシスの米州担当チーフエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏は「議事録に何か期待があるとすれば、イールドカーブに関するさらなる議論の中にあるかもしれない」としている。

原題:Fed Minutes May Offer Clues on Rate-Hike Limits Testing Powell(抜粋)

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