日本株は続落、通商問題懸念や中国市場不安定-素材セクター中心売り

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  • 上海総合指数や香港ハンセン指数が直近安値、日本株も連動性強める
  • 米ISM製造業指数、足元の景気堅調と貿易問題の影響双方を示唆
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

3日の東京株式相場は続落。米国と中国の通商問題への懸念が根深く、不安定な中国株動向に振らされ、午後の取引で一時下げ幅を広げた後、終了にかけ値を戻した。非鉄金属や繊維、化学株など素材セクター、海運や商社株など中国経済との関係性が濃い業種が相対的に安い。

  TOPIXの終値は前日比2.49ポイント(0.1%)安の1692.80、日経平均株価は26円39銭(0.1%)安の2万1785円54銭。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「米国による6日期限の340億ドル相当の対中関税発動は回避できるのではないかとの見方もあったが、中国株の下げはこのまま行くだろうという読みの表れ」と指摘。日本は景気がさえない中、貿易摩擦を補うような景気対策も行っておらず、人民元安をきっかけに「低迷する中国株に引っ張られだした」と言う。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米供給管理協会(ISM)が2日に発表した6月の製造業景況指数は、60.2と前月の58.7から上昇。受注や生産、雇用指数などの堅調維持が確認された。

  2日の米国株が切り返したことを好感し、きょうの日本株はプラス圏で始まったが、買い戻しは続かず、中国上海総合指数が下げ基調になるとともに失速。人民元安に歯止めがかからない中、上海総合指数と香港ハンセン指数が直近安値を付けるなど不安定さを見せ、日経平均は午後の取引で一時下げ幅が200円を超えた。

  米国のISM製造業指数では、足元の堅調な景気状況が再確認された半面、入荷遅延DIの急上昇で全体指数が押し上げられるなど、鉄鋼・アルミニウムをはじめとする貿易問題がサプライチェーンの混乱につながりつつある兆しもうかがえた。米輸出企業は議会に対し、トランプ米大統領の関税発動を抑えるよう期待しているものの、貿易専門家やロビイストらは議会が近くトランプ大統領の阻止に動く可能性は低いと指摘している。

  大和証券の高橋和宏株式ストラテジストは、「米国では中間選挙を控え、トランプ大統領の行動を政治的に引き留められる期待が次第になくなってきている」とみる。今週末の米中の関税発動期限を過ぎても、「欧州や日本との貿易問題は続く。欧州と関税競争となれば、英国のEU離脱をめぐる国民投票時のような一時的混乱のリスクを考えておく必要がある。日本にとっては自動車への課税が最悪シナリオ」とも話した。

  もっとも、大引けにかけ中国株が下げ渋ると、日本株も下げ幅を縮めて終了。SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は、「間もなく発表が始まる米企業の4ー6月期決算は良好で、日本企業も為替安定から悪くなく、業績面から見た日米株のバリュエーションは一時期に比べ安くなっている」と指摘。米国と中国が500億ドルの25%関税、2000億ドルの10%関税を互いに実施しても、「米国への影響はGDPの0.2%程度でそれほど大きくはない。6日を過ぎれば、ある程度の落としどころが見えてくるのではないか」と予想していた。

  東証1部33業種は非鉄金属、海運、精密機器、繊維、その他金融、ゴム製品、卸売、不動産、建設など21業種が下落。上昇は石油・石炭製品、空運、保険、鉱業、証券・商品先物取引、電機など12業種。売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を弱気に下げたキヤノン、銅市況の下落も響いた住友金属鉱山が安い。マッコーリーキャピタル証券が判断を上げた富士通、JPモルガン証券が強気判断に上げたミネベアミツミは高い。

  • 東証1部の売買高は14億8426万株、売買代金は2兆5298億円
  • 値上がり銘柄数は486、値下がりは1541
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