ドル・円伸び悩み、米中貿易摩擦懸念で6週間ぶり111円台維持できず

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  • 111円06銭まで上昇後、株価の下げ拡大に伴い上げ幅を解消
  • ユーロは下落、独連立政権巡る報道で早朝に乱高下も

Bloomberg

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東京外国為替市場ではドル・円相場が伸び悩み。欧州政治不安の緩和などからドル買い・円売りとなった前週末の流れを引き継ぎ、一時約6週間ぶりに1ドル=111円台を回復したが、米中貿易摩擦への懸念が根強く残り、結局は上値が抑えられる格好となった。

  2日午後3時17分現在のドル・円は前週末比ほぼ横ばいの110円72銭。早朝に110円51銭まで弱含んだ後、徐々に水準を切り上げ、一時は111円06銭と5月22日以来の水準まで上昇。その後、111円前後でもみ合っていたが、中国株や日本株が下げ幅を拡大する中、午後には上げ幅を解消し110円70銭前後まで値を戻した。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「通商面での交渉で新たな材料がなかなか出てこない中で、ドル・円はじりじり戻しているが、111円を超えてなお上昇できるかは特に米中の部分で通商問題で改善が見られるかによる」と指摘。6日に対中制裁関税発動を控えて「油断はできない」と話していた。

  6月30日に発表された中国の6月の製造業購買担当者指数(PMI)は前月から予想以上に低下。輸出受注指数は節目の50を割り込み、米中の貿易摩擦による成長への悪影響を示すこれまでで最も明確な兆しとなった。この日の上海総合指数は同時刻現在、2.1%下落。日経平均株価は492円安で取引を終えた。

  ユーロは下落。早朝にドイツの内相が辞任の意向を示すなど独政治を巡る報道で乱高下した後、じり安となった。ユーロ・ドルは1ユーロ=1.1632ドルから1.1693ドルまで上昇し、その後は1.1637ドルまで下落した。ユーロ・円は1ユーロ=128円60銭前後から129円50銭と6月14日以来の水準までユーロ高・円安に振れた後、128円90銭前後まで弱含んだ。

ドイツのメルケル連立政権についての記事はこちらをご覧ください。

  米国では、この日は6月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、週末には雇用統計がそれぞれ発表される。CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「ISMや雇用統計はドルをサポートする材料になる一方、6日からの対中輸入関税の動向の見極めが必要で、高値圏を買う安心感はまだない」と指摘した。

  朝方発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、6月調査)では、大企業・製造業の景況感が2期連続で悪化したが、為替市場で目立った反応は見られなかった。

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