メキシコ大統領選:ロペスオブラドール氏が地滑り的勝利の公算

更新日時
  • 出口調査で数十年ぶりの左派大統領が誕生する見込みとなった
  • ロペスオブラドール氏は汚職や暴力撲滅を公約に貧困層の支持獲得

7月1日投開票のメキシコ大統領選の出口調査によれば、新興左派政党、国家再生運動の大統領候補アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏が地滑り的勝利を収め、数十年ぶりの左派大統領が誕生する見通しだ。

  地元紙フィナンシエロの出口調査によると、元メキシコシティー市長でポピュリストのロペスオブラドール氏の得票率は49%。中道右派の野党、国民行動党(PAN)のリカルド・アナヤ前党首は27%、与党・制度的革命党(PRI)のホセ・アントニオ・ミード氏は18%。他の出口調査もほぼ同じ結果だった。

ロペスオブラドール氏

Photographer: Alejandro Cegarra/Bloomberg

  開票結果の公式発表は2時間余り先になる見込みだが、アナヤ、ミード両候補とも敗北を認めた。ミード氏はテレビ演説で「出口調査の傾向をみると、勝利したのはロペスオブラドール氏だ」と述べ、事実上の敗北宣言を行った。その後間もなく、アナヤ氏もテレビ演説で「彼の勝利を私は認める」と述べた。また、ロペスオブラドール氏に電話で祝意を伝えたことを明らかにした。

  ロペスオブラドール氏は3回目の挑戦となった今回の大統領選で、他候補を終始リード。汚職や頻発する暴力、生活水準向上に失敗した経済への国民の失望や反発が同氏への追い風となった。特に同国の人口1億2500万人の約半数に上る貧困層の支持を受けた。

  世界的にも、欧州での左派・右派政党の躍進や米国でのトランプ大統領の誕生など反エスタブリッシュメント(既存勢力)のうねりが続いている。メキシコは中南米で唯一、この数十年間、左派政権が発足していなかった。

  ロペスオブラドール氏は現実主義者的立場から政権運営を行うと約束してきた。しかし、同氏が勝利へと前進する中で、多くの投資家や実業界首脳の間に、同氏がエネルギー産業民営化の流れを逆行させたり、社会福祉などへの支出拡大で財政収支を悪化させるのではないかとの懸念が広がっていた。

  この日、同時に行われた連邦議会選でロペスオブラドール氏率いる国家再生運動が上下両院で過半数議席を獲得すれば、こうした懸念は一段と強まる見込み。世論調査の結果は両院での過半数もあり得ることを示していたが、出口調査ではより不透明となった。議会選の結果が判明するのは数日先になる可能性がある。

  外為市場はロペスオブラドール氏勝利に十分備えることができた。ミード、アナヤ両氏が敗北を認め、開票結果への異議申し立ての可能性がなくなったことを受け、メキシコ・ペソは上げ幅を拡大した。メキシコ市時間1日午後8時55分(日本時間2日午前10時55分)現在、1.2%高の1ドル=19.68メキシコ・ペソ。

  大統領就任式は5カ月後のため、ペニャニエト大統領は12月まで現職にとどまる。

原題:Mexico’s Lopez Obrador Wins Presidential Vote as Rivals Concede(抜粋)

(アナヤ候補のコメントなどを追加して更新します.)
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