日産が電池事業子会社の会社分割を中止、中国ファンドの資金が不足

更新日時
  • 取引実行日にGSRから連絡-当初は12月に完了予定も延期繰り返す
  • 今後の見通しについては詳細が決まり次第発表

日産自動車は2日、電池事業子会社オートモーティブエナジーサプライ(AESC)の売却を巡り、買い手の中国ファンドのGSRキャピタルから必要な資金が不足していると伝えられたことを明らかにした。

  同社は、売却の一環として予定していた会社分割の中止を決定したことも発表。昨年8月、売却に向けて日産自の「パウチ型」と呼ばれるリチウムイオン電池に関連する事業の一部をAESCに承継させる一方で、AESCが手掛ける電気自動車「リーフ」用のバッテリーパック生産事業を日産自が承継すると発表。両社の会社分割を経て、AESCの全株式と米国や英国の電池生産事業などを含めてGSRに譲渡することを予定していた。

  同社は他の選択肢についても検討しており、詳細が決まり次第発表するという。関係者によると、今回のGSRによる買収総額は10億ドル(約1100億円)規模になるとされる。当初は昨年12月末までの売却完了を見込んでいたが、延期を繰り返していた。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは、日産自が電池の自前生産から外部調達にシフトしようとしている戦略は「当然の選択」と指摘。電池の製造では海外勢とのコストダウン競争が厳しく、2020年には10年比で9割ほど安くなることが予想されているという。

  リチウムイオン電池に代わる全固体電池の開発が進む中では現状の買収価格が割高と判断された可能性もあるとの見解を示した。「売却価格を安くしてどこかに売るか、買い手が誰もいなければ売却自体を中止しなくてはいけない」として、同社にとってはマイナスな要素だと話した。

  AESCは07年の設立で、15年度の売上高は約366億円、出資比率は日産自51%、NEC42%、NECエナジーデバイス7%となっていた。

(記事の見出しやリード部分を書き換えて更新します.)
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