日本株は大幅反落、通商・景況悪化を警戒-3カ月ぶりに1700割り込む

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  • 米国の追加関税発動期限が接近、メキシコでは左派大統領が誕生へ
  • 中国統計も弱含み、日銀短観では非製造業がモメンタム鈍化見通し
Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

2日の東京株式相場は大幅反落。メキシコや中国の動向から通商摩擦への警戒が強まったほか、国内外の景況感悪化もあり、先物主導で午後に下落基調を強めた。ドラッグストアの減益決算も重なった小売株、食料品や陸運、医薬品株など内需セクター中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前週末比35.60ポイント(2.1%)安の1695.29と3月28日以来の1700ポイント割れ、日経平均株価は492円58銭(2.2%)安の2万1811円93銭と4月17日以来、2カ月半ぶり2万2000円を割り込んだ。

  東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャーは、「6日の追加関税発動期限までに、常識的には米国と中国が手を打つというのが市場コンセンサスだが、どこまで影響を織り込むか簡単ではなく、追加関税が発動された後の市場反応も読みにくい」と指摘。不透明感から、「これまで相対的にアウトパフォームしてきた業種が売られた始めた」と言う。

東証正面

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  米国が中国に対し追加関税を発動する6日が迫る中、通商問題への懸念が強まってきている。トランプ米大統領は6月29日、自動車輸入を巡る米政権の調査は「3ー4週間」で完了する見通しだと発言した。

  一方、1日投票のメキシコ大統領選は、与党候補のミード氏が敗北を認め、新興左派政党の国家再生運動(MORENA)のロペスオブラドール氏が勝利する見通し。メキシコでポピュリズム左派が政権を握ると、「米国と問題が発生し、北米自由貿易協定(NAFTA)が瓦解する可能性がある」と、東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは警戒感を示した。

  為替の安定や企業の配当金支払いによる再投資の買いが支えとなり、名実ともに7月相場入りした日本株は午前こそ底堅い動きを見せたが、前週末は反発した中国上海総合指数が再び下落、米国株先物も軟調に推移し、TOPIX、日経平均とも午後に入り先物主導で大きく売り込まれた。日経平均は一時500円以上下げ、日銀の指数連動型上場投資信託(ETF)買いに頼る最近の日本株需給の脆弱さも映した。

  中国国家統計局が6月30日に発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.5と前月の51.9から低下、輸出受注指数は49.8と50を下回った。きょうの取引開始前に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(6月調査)では、大企業・製造業DIがプラス21(市場予想はプラス22)と前回調査から3ポイント悪化。大企業・非製造業DIはプラス24(同プラス23)と1ポイント改善したが、9月見通しはプラス21と低下が見込まれている。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、日銀短観について「企業は貿易に関するリスクを感じ始めている。こうしたセンチメント悪化の影響が内外で実体経済に出てくると、株式市場には良くない」と言う。先行きは、製造業よりも非製造業のモメンタムの悪化が大きくなる予測で、「新たな四半期入りで『リターンリバーサル』の動きも重なり、きょうの内需関連株安に複合的な影響を与えている」とみていた。

  東証1部33業種の下落率上位はゴム製品、小売、食料品、陸運、医薬品、化学、サービス、建設など。売買代金上位では、第1四半期減益のスギホールディングスが急落、産業用鉛蓄電池で不適切検査が発覚した日立化成も売られた。インバウンド関連の資生堂、花王など化粧品メーカーの下げもきつい。半面、貿易統計で積層セラミックコンデンサー(MLCC)輸出額の伸び加速を野村証券が言及し、関連銘柄の太陽誘電は逆行高。合弁半導体製造会社の株式売却が好感された富士通も上げた。

  • 東証1部の売買高は13億7285万株、売買代金は2兆2993億円
  • 値上がり銘柄数は131、値下がりは1935
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