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使用済みEV充電池に第2の人生、コンビニなどで活躍-進む再利用

  • EV普及で電池の数も急増、収入源確保でEV価格引き下げ目指す
  • 日産自は福島県に電池再生工場、トヨタは来年から7&iと協力

電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の駆動用に使われる充電池には車用としての寿命を迎えた後も、一般家庭やコンビニエンスストアの電力源など別用途での活躍の場が残されている。EVの本格的な普及を前に自動車メーカーなど関連業界では電池の再利用に向けた取り組みが加速している。

  各国の規制などで急速な普及が見込まれるEVなど電動車を走らせるための充電池は充電を繰り返すことなどで劣化し、自家用車だと10年、バスやタクシーなど使用頻度が高い車だと4年程度で交換が必要になる。しかし、家庭用の電力供給などより低出力の用途であれば、取り外して使うことが可能。容量の大きいバス用の充電池では、さらに7年から10年は別用途での利用が可能とされる。

  世界で最も販売台数が多いEV「リーフ」のメーカーである日産自動車は今年3月、住友商事などとEV用リチウムイオン電池の再利用を目的とした工場を福島県浪江町に設立した。大型蓄電システムや電動フォークリフト向けなどへの転用のほか、車載用電池への再生も手がける。日産自の坂本秀行副社長はEVの本格普及期に備えてビジネスモデルを構築して、利益を上げられるように準備を進めているとした。

  トヨタはHV用の使用済み車載電池をコンビニエンスストアのセブン-イレブン店舗での補助電源として活用する取り組みを来年から始める。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの試算によるとEVの普及に伴って、EV用充電池の流通量は、2018年の5万5000個から25年までに340万個に増えると見込まれている。自動車メーカーや蓄電設備を運営する事業者らは使用済みの電池を流通させる市場を作ろうとしており、そこから利益を得ることも目指している。電池が第二の人生で収入を稼ぐことができれば、EVの価格を下げることにつながるからだ。

  世界のEVの約半分が販売される最大市場の中国ではメーカーが使用済みバッテリーの処理に責任を持ち、埋め立てさせないことなどを柱とするルールを8月に導入する。欧州は同様の規制を導入済みで、米国も同様の制度を導入するとみられている。

  EV用電池は駆動用としての寿命を終えて取り外される段階で、平均して50%から70%程度の電力容量を保持していると中国のEVメーカー、比亜迪(BYD)の電池部門でグローバル販売を担当するマネージングディレクターのトム・ザオ氏はいう。BYDでは使用済みの電池を携帯電話の基地局の電源などとして活用しているといい、ザオ氏は「再利用しなければとんでもない無駄になる」と話した。

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