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Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg
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来週の日本株は軟調、米中摩擦の深刻化リスク-2万2000円割れも

  • 米国は6日にも対中関税発動、中国も同額の報復関税を課す方針
  • 米ISM製造業指数は鈍化の見込み、為替安定は下支え要因に
Pedestrians cross a road in front of an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Friday, June 9, 2017. The Topix index closed higher after swinging between gains and losses, and the yen weakened, as the market continued to digest former FBI chief James Comey's Senate testimony, the European Central Bank rate decision and U.K. election results.
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

7月1週(2ー6日)の日本株は軟調となる見込み。米国による対中国の関税発動期限を迎え、米中貿易摩擦の深刻化が懸念され、買いが手控えられそうだ。米国や国内の経済指標が悪化すれば、企業業績の先行き警戒感から日経平均株価は2万2000円を下回る場面も予想される。

  米国は6日に340億ドル相当の対中関税発動を予定し、さらに160億ドル相当の輸入品に追加関税を課す見通し。中国が同額の報復関税を課す意向表明後、トランプ大統領は10%の追加関税を課す中国からの輸入品2000億ドル相当の品目特定を命じ、中国が再び報復に動けば、さらに2000億ドル相当の輸入品に関税を課すと警告している。シティグループは、関税と報復措置で米国が対中貿易赤字を500億ドル減らそうとした場合、日本の輸出と生産は年間で最大2%程度減少する可能性があるとみる。

Japan's Topix Rebounds From Worst Drop Since May

株価ボード前の歩行者

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国では2日に6月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、5日にISM非製造業景況指数、6日に雇用統計が公表予定。市場予想はISM製造業が58.7から58、非製造業は58.6から58への低下、雇用統計での非農業部門雇用者数の伸びは22万3000人から19万8000人への縮小を見込んでいる。世界貿易への不透明感から投資家心理が弱気に傾きやすい状況だけに、米指標が悪化すれば、日本株にもマイナスの影響が及ぶ可能性が高い。

  一方、米国株が6月中旬以降に調整局面入りした中でも、為替は1ドル=110円前後で安定推移。大和証券は、2018年度の経常利益予想を2カ月前に比べ小幅に減額したが、前年度比7.9%増と会社計画(2.2%増)からの上振れを想定している。7月中旬からの決算発表シーズンを前に、足元の為替動向と堅調な企業業績予想は日本株の下支え要因となりそうだ。このほか、2日には日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)の発表があり、大企業・製造業DIはプラス22と前回調査から2ポイント悪化する見通し。6月4週の日経平均は週間で0.9%安の2万2304円51銭と続落した。

<市場関係者の見方>
三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャー
  「もみ合い相場から抜け出すのは難しく、日経平均が2万2000円を割り込む可能性もありそうだ。米中貿易問題は1カ月前に比べ深刻度を増している。急転直下の結果となれば、閉塞感を脱却するきっかけになるが、妥協することはないというのが市場コンセンサス。貿易懸念はまだ経済統計に反映されていないが、米ISM製造業景況指数などに影響が出てくれば、世界経済のけん引役である米国の先行きに慎重なトーンにならざるを得ない。ただ、悪影響がセンチメント系指標にとどまり、為替が1ドル=110円を挟み落ち着いていることから、下値を売り込むにも限界がある。小売決算では、5月売り上げの低調が本当に天候要因だけだったのかを確認したい」

アライアンス・バーンスタインの村上尚己マーケット・ストラテジスト
  「米中貿易摩擦で方向感が定まらない中、下振れ含み。現在米国から示されている関税引き上げが今後中間選挙を挟み、ある程度の可能性で実現するリスクがさらに織り込まれるかもしれない。実際の成長率の下振れは限定的とみるが、貿易戦争の弊害で世界経済の成長率が低下すれば、幅広い企業業績の下振れが意識される。これが、最近のナスダックなどの調整の一因だろう。日本株はそうしたリスクシナリオをある程度織り込み、これまで下落していた。米国の経済指標は、予想以上に低下した際に反応が大きくなるリスクがある。日銀短観は先行きの景況感見通しが悪くなるとみられるが、影響はないだろう」

SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリスト
  「米国と中国の通商協議は解決の糸口が見えず、引き続き貿易摩擦問題で揺さぶられるリスクが続く。7月6日の米中関税発動が近づくに連れ警戒感が高まり、回避の動きが出てこないと失望が広がろう。市場の関心はトランプ米大統領が示した2000億ドルの追加関税に移り、歩み寄りが見られるかどうか。ただし、中国の米国からの輸入額は1000億ドルと同額の報復関税で対抗することができないため、過去に人民元安が株安を招いた『チャイナショック』が意識される点はマイナスだ。一方、米経済の堅調から円高には向きにくく、為替の安定が日本株を下支えする」

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