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シャープが巨額の増資計画、1週間で撤回-市場不安定を理由に

更新日時
  • 株価は一時前日比18%高、1年10カ月ぶりの日中上昇率
  • 事業運営や中期計画の実行には影響なし、財務体質の強化図る
Sharp Expects Profit from TV Operations
Photographer: Tomohiro Ohsumi
Sharp Expects Profit from TV Operations
Photographer: Tomohiro Ohsumi

シャープは29日、米中間の貿易摩擦などにより株式市場の不安定度が増していることから、公募増資で最大約2162億円を調達し優先株を買い戻して消却する計画を撤回すると発表した。

  同社は22日、過去に発行した優先株を買い戻すための公募増資の計画を明らかにしていた。しかし、市場が不安定な状況で新株発行などを継続することは既存の株主を含めた「ステークホルダーの利益を最大化するには至らない」とし、中止することにしたという。

  液晶テレビの不振などで経営危機に陥り、2016年8月に鴻海精密工業の傘下に入ったシャープは、鴻海の下で経営再建に着手。前期(18年3月期)には4年ぶりに純損益が黒字に転じ、今期は攻めの経営にかじを切る姿勢を示していた直後の計画撤回となった。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、シャープの株価が足元で下落傾向にあることに触れ「シャープが考える妥当な企業価値よりも株価が下落し、新株発行は既存の株主に迷惑をかける形になるのでやめたということだと思う」と指摘した。同社の28日の終値は22日終値比で11%下落していた。

  事業運営や中期計画の実行に影響はなく、今後も高画質の8K関連技術や人工知能(AI)、IoT事業を中心に財務体質の強化を図っていくとしている。発表を受けシャープの株価は一時前日比18%高の2770円と、16年8月17日以来、1年10カ月ぶりの日中上昇率となった。

  (更新前の記事では最終段落の日中上昇率を1年10カ月ぶりに訂正しています)

(アナリストのコメントを追加します.)
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