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日本株は反発、中国警戒感の後退と円安推移-輸出一角や医薬品上げる

更新日時
  • 中国人民元は12営業日ぶりに反発、上海総合指数も5日ぶりに高い
  • 7月6日に米中関税が発動予定、主要株価指数の上値は重い

29日の東京株式相場は反発。米国と中国の通商摩擦懸念が根強い中、上海株が5営業日ぶりに反発する動きを見せ、中国発の市場混乱を警戒する動きが和らいだ。為替の円安推移も好感され、輸送用機器など輸出株の一角、繊維や非鉄金属など素材株、医薬品株が高い。銀行株も堅調。

  TOPIXの終値は前日比3.89ポイント(0.2%)高の1730.89と反発、日経平均株価は34円12銭(0.2%)高の2万2304円51銭と3日ぶりに上げた。

  SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリストは、「米中通商協議の懸念と中国経済の減速感に加え、人民元の下落が止まらないことから過去の『チャイナショック』を意識し始めていたが、いったんは人民元の反発や中国株の上昇を受け、懸念は和らいだ」と言う。ただし、米中摩擦解決への糸口は見えておらず、「いつトランプ米大統領の強硬な発言がエスカレートするかどうか分からないため、あえてリスクを取りにいく状況ではない」とも話した。

Inside Tokyo Stock Exchange And Stock Boards As Nikkei 225 Briefly Tops 20,000 Mark

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  今年度第1四半期(4ー6月)最後の取引となったきょうの日本株は、為替の落ち着きを材料に上昇して始まったものの、根強い通商摩擦への懸念で日経平均は午前後半に一時124円安まで下落。その後、円が対ドル、ユーロで弱含むと、午後はプラス圏へ再浮上した。中国市場で下落が続いていた人民元が12営業日ぶりに反発したほか、上海総合指数の上昇も投資家心理を好転させた。

  きょうのドル・円は一時1ドル=110円70銭台、ユーロ・円は1ユーロ=129円10銭台と朝方の110円30銭台、127円60銭台からそれぞれ円安方向に振れた。欧州連合(EU)指導者が移民問題で合意したとの報道を受け、リスク選好の動きが広がったという。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、「貿易問題に関するトランプ大統領などの発言がなく、つかの間の休息で米国株が買われたことやドル高・円安が日本株のプラス要因」と指摘した。

  野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米国と中国通商問題への懸念は続くが、市場はある程度織り込みつつあり、7月からの第1四半期決算の発表を意識した買いが入りやすい状況。朝方発表の鉱工業生産や失業率も良好で、ファンダメンタルズは経済が成長していることを示している」と言う。

  ただし、株価指数の上げも小幅にとどまり、岩井コスモ証投資調査部の有沢正一部長は「7月6日の米中関税発動までに譲歩策が出るだろうという楽観はあるが、まだ何も見えておらず、期待先取りの買いは入りにくい」と話していた。

  東証1部33業種は医薬品や繊維、非鉄金属、輸送用機器、食料品、鉄鋼、銀行など22業種が上昇。下落は石油・石炭製品やパルプ・紙、陸運、海運、保険、不動産など11業種。売買代金上位では、公募増資を中止したシャープが急騰。公正取引委員会が携帯電話市場の「4年縛り」を警告し、顧客奪取への期待で楽天は大幅高となった。半面、SMBC日興証券が投資判断を弱気に下げたSCREENホールディングスが急落し、ニトリホールディングスやユニー・ファミリマートホールディングス、出光興産も安い。

  • 東証1部の売買高は12億8824万株、売買代金は2兆2986億円
  • 値上がり銘柄数は1167、値下がりは829
    日経平均と中国上海総合指数の推移
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