銀行の株主還元は過去最大の見通し-FRBストレステスト厳格化でも

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  • 包括的資本分析の公表後に20社余りが株主還元プランを公表
  • 配当は平均で30%余り増加しているとバイニングのモスビー氏

The Marriner S. Eccles Federal Reserve building stands in Washington, D.C.

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のストレステスト(健全性審査)が厳格化された結果、一部の主要銀行は当初の意欲的な株主還元計画の抑制を余儀なくされた。それでも還元額の合計は過去最大を更新しそうだ。

  ストレステストの第2弾である包括的資本分析(CCAR)公表後、米4大銀行のJPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BofA)、ウェルズ・ファーゴ、シティグループは自社株買いと配当計画を発表。合計の株主還元額は1100億ドル(約12兆1800億円)超となり、28日の米株式市場の時間外取引で4行の株価は上昇。FRBによって株主還元が前年の水準に凍結されたゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーも時間外で落ち着いた動きを見せた。

  S&P500金融株指数は27日まで過去最長の13営業日続落となっていたが、ストレステストの結果が投資家に安堵(あんど)感を与えた。CCAR公表後、金融機関20社余りが株主還元計画を発表した。ウェルズ・ファーゴは株主還元を70%強増やし約330億ドルにする計画で、JPモルガンは16%引き上げて320億ドルにすると発表した。

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Source: Company announcements, KBW, Bloomberg

Figures shown are for the four quarters starting after test results are announced in June. Wells Fargo and JPMorgan's 2018 figures are based on estimated number of shares outstanding after the firms didn't provide total payout projections.

  バイニング・スパークスのアナリスト、マーティー・モスビー氏は、「きょうの主題は資本関連の発表であり、配当は平均で30%余り増加している」と指摘。さらに自社株買いの拡充は「株数が約6-7%減少」し、1株利益(EPS)を押し上げることを意味すると述べた。

  米株式市場の時間外取引で、ニューヨーク時間28日午後6時40分(日本時間29日午前7時40分)現在、ウェルズ・ファーゴは3.4%高。JPモルガンとシティは共に1.6%以上上げた。

  FRBの発表には悪いニュースも含まれた。JPモルガンとゴールドマン、モルガン・スタンレー、アメリカン・エキスプレス(アメックス)、M&Tバンク、キーコープの6社は、より大きい株主還元を当初提案していたが、FRBに却下され、還元の規模を縮小した。当初の株主還元計画が認められず、再考を余儀なくされた金融機関の数は過去最多となった。

  ゴールドマンは株主還元を過去2年の平均にとどめることに同意した後、合格。モルガン・スタンレーは過去1年間の水準を維持するとした。こうした還元の制限でも、両社は深刻な金融危機を乗り越えるのに最低限必要とされる資本水準に届かない可能性があるものの、FRBは昨年10-12月(第4四半期)に計上した米減税関連の一時費用の影響を考慮して合格とした。

  今年のストレステストでは金融危機のシナリオが株価の65%下落や最大8.9%の米マイナス成長など一段と厳しい想定の下で実施された。

原題:Fed Test Slaps Wall Street Titans While Unleashing Record Payout(抜粋)

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