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アリババ、対米投資を大幅縮小-トランプ政権は案件審査の厳格化図る

  • アリババが今年発表した米国への新規投資案件はわずか1件
  • 中国の1-5月買収・投資は92%減、7年ぶり低水準-ローディアム
Alibaba Group Holding Ltd. Campus on the Company's 18th Anniversary
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Alibaba Group Holding Ltd. Campus on the Company's 18th Anniversary
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

米国のトランプ政権が中国による米企業投資の制限に動く中で、電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディングがシリコンバレーから距離を置きつつある。

  アリババのコーポレートベンチャー部門は米企業への投資を積極的に進めてきたが、今年発表した新規の対米投資案件はわずか1件。データ分析を手掛けるスタートアップ、SQリーム・テクノロジーズによる2640万ドル(約29億1000万円)規模の資金調達ラウンドを主導したにとどまっている。アリババがマジック・リープやジェット・ドット・コム、スナップなど有名企業に多額の投資をしてきたことを考えると、極めて小さな取引だ。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、今年に入り米国担当のトップディールメーカーだったマイケル・ザイサー氏がアリババを去り、後任を外部から招かずに同社はクレディ・スイスでインベストメントバンカーを務めたピーター・スターン氏を昇格させたという。

  アリババによる投資縮小は、米中間の対立激化と呼応している。トランプ政権は中国による買収やベンチャーキャピタルの資金調達ラウンドを通じた米テクノロジー投資を制限しようとしている。同政権は対米外国投資委員会(CFIUS)の権限強化法案の成立を望んでいると表明した。

  アリババ系の金融会社、アント・ファイナンシャル(螞蟻金融服務集団)は、送金サービスの米マネーグラム・インターナショナルの買収を目指していたが、CFIUSが安全保障を理由に買収を阻止し計画の断念に追い込まれていた。

アジアに再び視線

  アリババに早い時期から投資していたGGVキャピタルのマネジングパートナー、ハンス・タン氏は「現在の環境を踏まえると、CFIUSの反対を招かずに何に投資できるのかまだ分からない」と指摘。その上で、歓迎されるところに行くのは理によりかなっていると話す。アリババはコメントを控えた。

  米国でのアリババの優先事項は、米消費者を狙ってアマゾン・ドット・コムなどと競争するのではなく、アリババの巨大なインターネット市場を使って中国の消費者に商品を販売するよう米企業に促すことだった。アリババからすると、新たなテクノロジーやトレンドについて学べる米国のスタートアップ企業や、アジアで中核の電子商取引事業を補完できる企業が欲しかった。

  アリババはアジア投資に再び軸足を移しつつある。最近になって米国を避けている中国企業はアリババだけではない。ローディアム・グループによれば、中国の買収・投資は今年1-5月に92%減り7年ぶりの低水準となった。

原題:Alibaba Pulls Back in U.S. Amid Trump Crackdown on Chinese Investment(抜粋)

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