日本株は小幅安、米国の通商政策懸念と金利低下嫌気-為替安定が支え

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  • 医薬品、通信など内需セクターや保険など金融安い、輸出は終日堅調
  • 日経平均は一時今月安値で200日線割れ、午後にかけ持ち直す

28日の東京株式相場は小幅安。米国の強硬な対中国通商政策に警戒感が根強い上、米長期金利の低下を嫌気する売りが優勢となった。医薬品や情報・通信、小売、食料品株など内需セクター、空運株が安い。保険や銀行株など金融セクターも軟調。

  TOPIXの終値は前日比4.45ポイント(0.3%)安の1727.00と3日ぶりに反落、日経平均株価は1円38銭(0.01%)安の2万2270円39銭と小幅に続落した。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「過去の経験則からトランプ米大統領の政策運営を予測しづらく、中国との通商交渉でさらに強硬姿勢を取ることへの懸念が株安につながっている」と指摘。トランプ氏が米国第一主義の姿勢を変えない可能性もあり、「米国と中国が互いに関税を賦課する7月6日にかけても両国が譲らなければ、いよいよ警戒して市場が混乱するリスクがある」と話した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は27日のFOXビジネスとのインタビューで、米国が通商面で出した要求に対し、これまでのところ中国側の対応は満足のいくものではないと述べ、トランプ米大統領は中国に対して後ずさりしていないとの見方を示した。

  米中貿易摩擦への懸念で27日の米国市場は株安・債券高とリスク回避の動きが広がり、米S&P500種株価指数0.9%安、テクノロジー株の比率が高いナスダック総合指数は1.5%下げた。米10年債利回りは2.83%と5ベーシスポイント低下した。

  米市場の流れを受けきょうの日本株は下落して始まり、日経平均は午前の取引で一時233円(1.1%)安の2万2038円と今月の日中安値を更新、投資家の長期売買コストを示す200日移動平均線(2万2077円)を一時下回った。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは今後の大きなリスクとして、中国が米国との交渉を優先せず、自国の政策対応を強化する可能性を指摘。「景気対策としての人民元切り下げの可能性がないとは言えず、その際は2015年8月のように世界同時株安の引き金になりかねない」と警戒する。

  ただ、その後は徐々に持ち直し、午後に入ると日経平均はプラス圏に浮上する場面があった。ドル・円が一時1ドル=110円30銭台と、朝方の109円90銭台から円が弱含みで推移したことも下支え要因の一つ。三井住友信の瀬良氏は、「米経済は雇用情勢の改善や消費拡大を支えに好調を維持し、物価が落ち着き、金利も急上昇しない『ゴルディロックス』経済が維持されている。先行き不安があっても、株式を積極的に売り込む環境ではない」との見方も示していた。

  東証1部33業種は空運、その他金融、保険、医薬品、情報・通信、小売、石油・石炭製品、食料品、不動産など22業種が下落。上昇は鉱業、金属製品、ゴム製品、非鉄金属、輸送用機器、電機、海運など11業種。売買代金上位ではアステラス製薬やNTT、スタートトゥデイ、キッコーマンが安く、出光興産との経営統合協議を巡り、一部報道を通じ出光による公開買い付け(TOB)の可能性低下が嫌気された昭和シェル石油は反落した。半面、筋ジストロフィー薬の試験結果が良好な日本新薬、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が強気判断を強調したSUMCOは高い。

  • 東証1部の売買高は14億40万株、売買代金は2兆3501億円
  • 値上がり銘柄数は725、値下がり1289
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