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人民元安に不意突かれた専門家、波及リスク警告-切り下げ懸念も浮上

  • 1ドル=6.70元または6.80元に向かって下げると想定-マッケンナ氏
  • 投資家は今、ちょっとしたパニックに-シティのペン氏

中国本土株の指標、上海総合指数が下落を続け弱気相場入りしたことに世界の投資家は肩をすくめるだけかもしれない。本土株は海外との結び付きが薄いためだ。だが最近の人民元急落に不意を突かれた外国為替市場の専門家は、波及リスクについて相次ぎ警告を発した。

  約30年にわたり外為市場で働くベテラン、グレッグ・マッケンナ氏は顧客向けの午前のリポートで「人民元に触れることはそれほどない」が、27日はいつもと違った。「新興国市場と人民元を注視する必要がある」と同氏は記した。
 
  オーストラリアの複数の銀行で通貨ストラテジストを務め、現在はシドニーのアクシトレーダーに勤めるマッケンナ氏は「人民元が1ドル=6.70元もしくは6.80元に向かって下げると予想」。「中国株下落が先進国市場に与えなかった動揺を、元安がもたらすことはあり得ると思う」としている。

Remember 2015?

  人民元は27日も下落し、一時は1ドル=6.6元台となった。ここ2週間の下げは約3%に達した。シティ・プライベート・バンクの投資ストラテジスト、 ケン・ペン氏(香港在勤)は「投資家は今、ちょっとしたパニックになりつつある」と指摘。「米国との貿易を巡る緊張が強まる中で、政策当局は自ら誘導はしていないものの元安を容認している可能性」があると述べた。

  

Currency Turnaround

  その上で、資本流出を「回避するため当局は全般的には市場の安定を引き続き期待するはずだ。1ドル=6.6元を超える元安水準となる中で、人民元の値下がりは加速し得る」と分析。「株式など他の元建て資産に元下落が波及する恐れが生じるだろう」とも語った。

  トランプ米大統領は10%の追加関税の対象とする2000億ドル(約22兆円)の中国製品を特定するよう米通商代表部(USTR)に指示しているが、アバディーン・スタンダード・インベストメンツの新興国市場担当シニアエコノミスト、アレクサンダー・ウォルフ氏(香港在勤)はそうした米国の動きに対抗する有力な選択肢の1つが、人民元切り下げだと説明した。

  同氏は26日の顧客向けリポートで「10%の元切り下げは、10%の追加関税を打ち消す可能性がある。ただ資本流出悪化などを含めた大きなリスクなしで済むことはないだろう」とコメント。「コストを伴わない選択肢はないが、そうした事態にまで至らないことを期待する」と記した。
  
原題:China’s Yuan Drop Blindsides Traders, Spurs Worry on Impact (1)(抜粋)

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