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EU、7月半ばに鉄鋼セーフガード導入も-自動車業界は影響懸念

更新日時
  • 「われわれは暫定的な措置の実施を真剣に検討している」と欧州委員
  • 鉄鋼製品が米市場を迂回し、欧州市場に大量に流入する事態を憂慮

トランプ米政権が発動した保護貿易政策に対抗し、欧州連合(EU)が鉄鋼製品を対象に検討する緊急輸入制限(セーフガード)によって、EU域内の鉄鋼業界が自動車業界よりも優位な立場に置かれることになりそうだ。

  EUの行政執行機関である欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は26日、米国による鉄鋼・アルミニウム輸入制限への対抗措置として、鉄鋼製品のセーフガードを数週間以内に暫定的に導入する可能性があると語った。

  米国は国家安全保障上の懸念を理由に鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す輸入制限措置を今年3月に発動。EUが検討するセーフガードには、鉄鋼製品が米市場を迂回(うかい)し、欧州市場に大量に流入する事態を避ける狙いがある。

  マルムストローム委員はブリュッセルで記者団に対し、セーフガードの正式発動に向けて年内終了予定の調査に着手する一方、暫定的な輸入制限の導入を準備していることを明らかにした。同委員は「われわれは暫定的な措置の実施を真剣に検討している。何らかの暫定措置は恐らく7月半ばになると思う」と述べた。

  ドイツのティッセンクルップやアルセロール・ミタルといったEUに拠点を置く鉄鋼メーカーは、域内の鉄鋼製品の値崩れリスクを抑制するため、輸入制限を強く求めているが、欧州の自動車メーカーは、そのような動きをけん制している。

  ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やダイムラー、仏ルノー、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)などのメーカーで構成する欧州自動車工業会(ACEA)は、建設機器や農機、家電、テクノロジー業界を含む他の鉄鋼製品ユーザーと共同で、輸入制限の導入を控えるようマルムストローム委員に書簡で要請した。

  ACEAは電子メールで26日に配布した資料で、「良質な原材料や半製品を競争力のある価格で調達できる能力を持つことは、関係業界にとって死活問題だ」と訴えた。EUのセーフガード調査は、ステンレス熱延・冷延鋼板や鉄道用材料など26製品が対象となる。輸入総額は220億ユーロ(約2兆8200億円)と、EUの年間鉄鋼製品輸入額の40%に相当する。

原題:EU’s Steel Industry May Win Import Limits Opposed by Carmakers(抜粋)

(欧州自動車業界の動きなどを追加して更新します.)
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