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日本株反発、「75日線の抵抗」で持ち直す-ディフェンシブや銀行高い

更新日時
  • 騰落レシオは70%台まで低下、午後は円高の勢いも弱まる
  • 米中貿易摩擦への懸念根深い、化粧品関連などの下げ目立つ

26日の東京株式相場は小幅に反発。貿易摩擦懸念を受けた世界的株安の流れで朝方は大きく下げたが、移動平均線や複数のテクニカル指標からみたリバウンド期待から午後にかけ持ち直した。電力や水産・農林などディフェンシブ業種の一角、海運やパルプ・紙、銀行株が高い。

  一方、米国のテクノロジー株安の影響を受けた電機株のほか、第1四半期決算が3割を超す営業減益で、アナリストも厳しい視線を送る低価格衣料のしまむらが急落するなど小売株も下げ、株価指数の上げ幅は限定的だった。

  TOPIXの終値は前日比2.80ポイント(0.2%)高の1731.07と4営業日ぶり、日経平均株価は3円85銭(0.02%)高の2万2342円00銭と3日ぶりに高い。

  りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジストは、「朝方に日経平均株価が75日移動平均線にタッチした後、きれいに反発し、先物主導で買い戻しが入った。5月30日にも75日線で反発した実績が大きい」と指摘。ただし、積極的に買いを入れるには「何の根拠もなく、これからも不安定な状況は続く。米経済に少しずつ減速感も出てきており、指標の悪化が続けば、米国株の底割れリスクが台頭してくる。連鎖への警戒が必要」とも話していた。

Tokyo Stock Exchange As Asian Stocks Rebound After Korean Fears Abate

東証正面

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ムニューシン米財務長官は、中国による知的財産侵害問題へのトランプ政権の対応の一環として財務省が週内に報告書で発表する中国からの対米投資の制限について、「中国に限定したものではなく、われわれのテクノロジーを盗もうとする全諸国が対象になる」と指摘した。

  世界的な貿易摩擦が激化するとの懸念で、米S&P500種株価指数が1.4%安、テクノロジー株の比率が高いナスダック総合指数は2%以上安くなるなど25日の米国株は下落。欧州株もドイツなど軒並み2%前後下げた。

  ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長は財務省の報告書について、市場が予想しているほど広範囲のものではないことを示唆したが、SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は「通商協議の着地点が見えないことから、懸念が増幅されている」と言う。

  この日の日本株は欧米株安の影響でリスク回避の売りが先行、朝方にTOPIXは一時1%、日経平均は1.1%(234円)安まで下げ幅を広げた。松野氏は、今後の関税報復合戦次第で「世界経済への影響が避けられず、貿易縮小から輸出産業が多い日本にも影響が及ぶ恐れがある」とみている。グローバル投資家の間ではキャッシュ比率を高める動きが出てきており、フィデリティ・インターナショナル、トーマス・ミラー・インベストメンツは株式保有割合を下げた。

  その後は徐々に下げ渋り、午後に入ると両指数ともプラス圏に浮上。日経平均の場合、投資家の中期売買コストを示す75日移動平均線が下値抵抗線として機能したほか、ボリンジャーバンドは下限に接近、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは目先売られ過ぎを示す70%に迫り、目先の相場反転を見込む買いが入った。米国株のEミニS&P500先物がプラス転換、ドル・円が午前の一時1ドル=109円30銭台から同60銭台まで円高の勢いが弱まったことも相場の出直りを後押しする一因になった。

  電力や水産などディフェンシブセクターの一角とともに、業種別指数で銀行株が8営業日ぶりに反発。TOPIXの押し上げ寄与度でトップとなった。SBI証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、「半導体需要などの低迷でテクノロジー株が売られる一方、流動性が高く、PBR平均が0.5倍台の銀行株が買われた。銀行株は前日までに売られ過ぎており、これ以上の下落の可能性は低いとの見方もある」と述べた。

  東証1部33業種は電気・ガス、水産・農林、海運、パルプ・紙、その他金融、ゴム製品、銀行、建設、繊維、保険など23業種が上昇。下落は石油・石炭製品、サービス、鉱業、小売、精密
機器、情報・通信、電機など10業種。売買代金上位では減益決算を受けゴールドマン・サックス証券が苦境は続くと指摘したしまむらが急落。米子会社や出資先の株安が嫌気されたソフトバンクグループ、米中貿易摩擦によるインバウンド需要の後退が懸念され、資生堂やコーセーなど化粧品株
も安い。半面、CLSAが目標株価を上げた太陽誘電、米カーボンブラックメーカーを買収する東海カーボンは高い。

  • 東証1部の売買高は13億5443万株、売買代金は2兆3417億円
  • 値上がり銘柄数は1209、値下がりは797
    日経平均株価は75日移動平均線が下値抵抗線に
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