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円全面高、米保護主義警戒でリスク回避-対ドルで2週間ぶり高値

更新日時
  • ドルは早朝の110円04銭から一時109円38銭と11日以来の安値
  • 米国が中国に対する投資規制を発表するという話を嫌気-みずほ証

東京外国為替市場では、円が全面高。トランプ米大統領が欧州車に対して関税賦課の可能性を示したことに加え、米国政府が中国からの投資を制限する計画との報道を受けて、米国の保護主義政策への警戒感が強まった。ドル・円相場は2週間ぶりの水準まで円高が進んだ。

  円は25日午後3時6分現在、主要16通貨全てに対して前週末比で上昇。ドル・円相場は0.5%安の1ドル=109円46銭で推移。早朝に付けた110円04銭をドルの高値に水準を切り下げ、一時は109円38銭と11日以来の水準まで円買いが強まった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「きょうの為替相場は、円高、豪ドル安でアジア時間のリスクオフの典型。米国が中国に対する投資規制を発表するという話を嫌気している可能性はある」と指摘。「中国の預金準備率引き下げは景気対策だろうが、元安圧力になり、中国が米国に対して取れる報復行動の一つの可能性もある。その辺はっきりしないが、貿易戦争という意味では嫌気」と語った。

  トランプ政権は航空宇宙やロボット工学を含む業界での米国の企業やスタートアップ企業に対する中国の投資を制限する計画、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。対象は、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」で特定された産業に属する米企業で、人工知能(AI)や医療機器、鉄道など10業種が含まれるという。

米国による中国からの投資制限についての記事はこちらをご覧ください。

  米中や米欧の通商摩擦に関して、FPG証券の深谷幸司社長は、「7月6日の輸入関税発動までは、より緊張度が高まると思う。先週、独ダイムラーが業績見通しを引き下げた。発動されれば企業業績や景気への影響などが当然出る。その辺への不安感がたまった状態がしばらく続きそうだ」と言う。「日経平均株価を含めて、他のアジア株も弱い。やはり不安を誘う感じになっている。ドル・円は短期的に109円ちょうどを試す可能性はある」と述べた。
  
  トランプ大統領は22日、欧州連合(EU)が関税や貿易障壁を取り除かなければ、米国はEUから輸入する全ての自動車に20%の関税をかけるとツイートした。一方、EU欧州委員会のカタイネン副委員長は、EUは「またもや、対抗する以外に選択肢はないだろう」と述べ、米国との通商対立において報復激化を辞さない姿勢を示した。

トランプ大統領の欧州車への関税賦課に関する記事はこちらをご覧ください。

EUの再報復に関する記事はこちらをご覧ください。

ドル・円相場の推移

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.1638ドル。ユーロ・円相場は0.6%安の1ユーロ=127円41銭で推移している。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「米国のEUに対する自動車関税などの行方を見極めたい。米中間選挙の11月に向けた選挙キャンペーンと受け止めている人もいる」と指摘。ユーロ・ドルについて、「ユーロは伸び悩み。1.1500-1.1700ドルのレンジを抜けるのは難しい」と述べた。

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