コンテンツにスキップする

トランプ政権が仕掛ける通商対立、累積すれば米GDPに顕著な影響も

  • 中国製品2000億ドルへの追加関税やEUからの自動車輸入への関税で
  • 関税措置の流れ続けば減税のプラス効果全て消失も-ベーラベシュ氏
Port Of Oakland As Smaller Trade Gap Puts U.S. On Stronger Growth Path
Photographer: David Paul Morris
Port Of Oakland As Smaller Trade Gap Puts U.S. On Stronger Growth Path
Photographer: David Paul Morris

米国が中国や欧州連合(EU)をはじめとする各国・地域と繰り広げている通商対立は、今後一段とエスカレートすれば、本来力強いはずの米経済に有意な形でブレーキをかける恐れがある。

  既に実施済みか、実施準備中の関税が米景気の深刻な落ち込みを招く可能性はほとんどないと考えられるものの、現在検討されている多数の措置が実行されれば、米国内総生産(GDP)の伸びにはっきりと分かるような減速をもたらすとエコノミストは予想する。

  ドイツ銀行のチーフエコノミスト、ピーター・フーパー氏(ニューヨーク在勤)は、「痛みはもっと顕著となるだろう」と話した。  

Slowdown Ahead?

  今年の米GDP伸び率を3%と予測するフーパー氏は、実施済みの措置や準備が進められている措置によって、同伸び率が0.1ポイント押し下げられると見込んでいる。

  ただ、トランプ米大統領が先に警告した中国製品2000億ドル(約22兆円)相当への10%の追加関税と、EUからの自動車輸入への20%の関税が実行された場合、GDP伸び率は0.3-0.4ポイント押し下げられるとフーパー氏は推計。貿易摩擦激化が消費者や企業、投資家の信頼感に波及し始めれば、悪影響はさらに大きくなりかねないとの見方を示した。

  こうしたフーパー氏の推計に同意するムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「経済成長を損なうまでは至らないが、やや鈍化させることは確かだろう」と語った。

  一方、IHSマークイットのチーフエコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏はトランプ政権の関税措置について、「減税の効果を少しずつ減殺しつつある。こうした流れが続けられれば、減税のプラス効果は全て消失してしまうだろう」とコメントした。

原題:Trump’s Trade War Sets Bigger Booby Trap for Strong U.S. Economy(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE