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Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
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EUが通商戦争激化を警告-WTO機能不全なら「貿易の黙示録」も

  • WTOが存立の危機に直面していると欧州委が首脳会議を前に指摘
  • 上級委委員の任命が阻止されており、ルール執行が不可能になる恐れ
Containers stand beneath shipping cranes at the Port of Hamburg in Hamburg, Germany, on Thursday, May 31, 2018. America's closest allies plan to slap billions of dollars in tit-for-tat tariffs on U.S. goods after the Trump administration announced it’s imposing steel and aluminum duties on them.
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、28、29日に開かれるEU首脳会議を前に各国政府に配布した内部文書で、ルールに基づく国際貿易システムが、強者が弱者に意思を押し付ける環境に逆戻りしつつあり、国際通商戦争が激化しようとしているとの認識を明らかにした。

  EU全体の通商政策を運営する欧州委の文書は、米国とのその最も緊密な貿易相手国との間で、さらに一方的な措置が課され、場合によっては報復や重商主義的な取引につながる恐れがあり、紛争が今後数カ月でエスカレートすることになりそうだと指摘。われわれの世界は「都合の良い場合にだけルールを適用し、通商関係の基礎として強さがルールに取って代わる貿易環境」に逆戻りしようとしているとの見解を示した。

  ブルームバーグがコピーを入手した内部文書が、来るべき「貿易の黙示録」を推進する要因として挙げた3つの点は次の通り。

  • 「その多くが主要貿易国の非市場的な政策と慣行に関係し、世界貿易機関(WTO)が十分に対処できないと考えられるゆがみ」を招く国際貿易ルールブックの空白
  • 同盟国もそれ以外の国も同じように報復関税の標的とする米国の強硬で一方的な措置
  • WTOの紛争処理手続きの二審に相当する上級委員会の委員任命を阻止する米国の決定

  欧州委の文書は「上級委委員の任期切れが続く中で、新たな任命が阻止されており、紛争処理システムは近く機能不全に陥り、ルールの執行が不可能になるだろう。グローバル経済のガバナンス(統治)を20年後退させることに等しい」と主張した。

原題:EU Said to See Nearing Trade Breakdown as It Seeks Rules Revamp(抜粋)

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