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Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg
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来週の日本株、米景気堅調で業績期待-米中関税策は警戒

  • 米住宅販売は持ち直し、消費者信頼感指数は高水準維持の見込み
  • 米中貿易摩擦は世界景気の下押しリスク高める公算-シティG証
A pedestrian walks past an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Tuesday, June 12, 2018.
Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

6月4週(25-29日)の日本株は小幅な上昇が見込まれる。発表される経済指標で米国の良好な景気の現状が確認され、業績期待が高まる。ただ、米国と中国の通商問題は収束のめどが立っておらず、報復関税の応酬に発展した場合は大きく調整する可能性がある。

  米国では25日に5月の新築住宅販売件数とシカゴ連銀全米活動指数、26日に6月の消費者信頼感指数、27日に5月の中古住宅販売成約指数が発表される予定。市場予想は新築住宅が前月比0.5%増(前回1.5%減)、中古住宅は1%上昇(同1.3%低下)といずれもプラス転換、消費者信頼感指数は127.5(同128)と高水準を維持する見込み。セゾン投信の瀬下哲雄運用部長は「米国は減税効果もあって個人消費が伸びている。輸出が増える欧州やアジアも加わって世界経済が拡大することで株式市場では安心感が広がる」とみている。

Japan’s Topix Falls, Extending Slump From Sept. 25 Peak To 11%

株価ボードに映る人影(イメージ)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  国内では株主総会がピークを迎える。東京証券取引所の調査によると、上場企業の31%の総会が28日に集中。前期の好決算を受けた株主還元策の強化や新たな成長に向けた投資への説明で株価が動く可能性がある。注目企業では、増資やメモリー事業を売却し、7000億円程度の自社株買い方針を示した東芝が27日、約6兆8000億円を投じて製薬大手シャイアーを買収する武田薬品工業、米ゼロックス買収が暗礁に乗り上げている富士フイルムホールディングスは28日の予定。

  一方、米国と中国の通商問題は引き続き警戒。トランプ米大統領はすでに公表した中国からの輸入品500億ドル相当への25%の関税措置に続き、2000億ドルの中国製品に10%の追加関税を適用すると警告した。中国はこれに対し「強力な」報復措置を取るとの声明を出した。シティグループ証券投資戦略部の村嶋帰一マネジングディレクターは、「2000億ドルの追加関税で企業の設備投資が先送りされる可能性が高くなる」とし、その場合は「世界景気の下押しリスクが大きくなる」とみる。米中貿易摩擦に揺れた3週の日経平均株価は、週間で1.5%安の2万2516円83銭と3週ぶりに反落した。

≪市場関係者の見方≫
セゾン投信の瀬下哲雄運用部長
  「米国では住宅販売が回復し、消費者信頼感指数も高水準を維持するとの市場予想。米消費の拡大は輸入を通じ世界経済にプラスに働き、株式市場の支えとなる。日本では前期最高益の企業が多く、株主還元の強化など資本の有効活用策へのプレッシャーが株主総会で高まってきている。海外投資家が注目するコーポレート・ガバナンス・コードの進展が確認できれば、ポジティブ。ただし、米中通商問題は知的財産分野で折り合いがつきにくく、市場は問題が深刻化するリスクを完全に織り込んでいない。両国の関税報復合戦に発展するとマイナスのインパクトは大きい」

大和総研経済調査部の小林俊介エコノミスト
  「日米金利差を意識したドル高・円安基調が続き、業績期待から日本株は上昇しよう。7月からFRBの資産圧縮額が100億ドル追加の400億ドルに拡大され、米長期金利は上昇し、ドルが買われやすい。昨年10月に始まった資産圧縮は1月と4月に圧縮額追加で米金利が上昇したため、マーケットは先取りして週後半からはポジション構築の買いが入ろう。米中貿易問題はいったん相場に織り込まれた。通商政策では中国が日本の隠れ蓑となっており、自動車関税など米国の矛先が日本に向いてこないうちは漁夫の利を得やすい。ただ、報復関税の応酬やトランプ米大統領の発言次第で市場が不安定になる点には警戒が必要」  

岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「トランプ米大統領は対中国の通商交渉でかなり強硬姿勢を示し、今後しばらくは現実路線に戻って落としどころを探るタイミングだ。まずは拳を振り上げ、相手の譲歩を引き出すのがトランプ流。中国への関税発動期限の7月6日に向け水面下の協議に入るため、市場の警戒が緩みそうだ。日本などから輸入する鉄鋼への関税を適用除外とするなど軟化の兆候はある。米経済は拡大が持続、1ー3月期のソフトパッチから脱し、4ー6月期に再び3%近い成長が見込める。日経平均は直近で2回高値となった2万3000円が当面の上値めど」

日経平均株価の推移
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