米FRB:35行全てが十分な自己資本を保有-ストレステスト (2)

更新日時
  • 金融危機を受けて開始の審査、全対象行の基準クリアは3年連続
  • 資本増強が進み銀行も審査に習熟-28日に包括的資本分析の公表

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日公表した今年の銀行ストレステスト(健全性審査)結果で、35行全てが深刻な不況を乗り越えられると判断され、審査の最初のハードルをクリアした。ただ、ゴールドマン・サックス・グループはレバレッジの重要指標で他行に後れを取った。

  全ての審査対象行がFRBの最低資本基準を超えたのは3年連続。今年はゴールドマンとモルガン・スタンレーがウォール街の大手金融機関で最低基準に最も近かった。

  年次ストレステストは2008年の金融危機後、将来の損失を乗り越えるのに十分な資本増強を銀行に義務付けるのを狙いとしてスタートした。その後、銀行が毎年の審査に習熟し、資本も増強されてきたため、芳しくない結果につながる想定外の可能性は低下しつつある。FRBもトランプ政権が掲げる規制緩和を背景に、審査プロセスの透明性向上を図っている。

  FRBのクオールズ銀行監督担当副議長は21日の発表文で、「厳しい経済シナリオや今年の審査に影響した他の要素にもかかわらず、想定される深刻な世界的リセッション(景気後退)後の各行の資本水準は、直近のリセッションまでの数年の実際の資本水準を上回っている」と指摘した。

  ストレステストは2段階で構成される審査で、第2段階の包括的資本分析(CCAR)の結果は28日に公表される。

  CCARの結果次第で、配当や自社株買いの承認を得られるかどうかが決まるだけに、ウォール街の金融機関にとっては重要なイベント。大手25行は同審査に合格すれば、昨年より300億ドル(約3兆3000億円)多く株主に還元する可能性があるとアナリストらは予想する。

  21日の結果は、来週公表のCCARの結果について大まかなヒントを与えるだけにすぎず、FRB当局者は第1段階で使われる計算はCCARとは異なると注意しているものの、ウォール街のアナリストらは一部の銀行が最低資本基準にどの程度近かったかに注目しそうだ。金融機関は補完的レバレッジ比率(SLR)で3%超の水準を維持することを目指しているが、今回の審査結果ではゴールドマンは3.1%、モルガン・スタンレーは3.3%、ステート・ストリートは3.7%だったことが示された。

  ステート・ストリートは普通株式等ティア1(CET1)比率が5.3%と、審査対象行で最低となり、資本要件の4.5%とあまり開きがなかった。ゴールドマンは2番目に低い5.6%だった。

  ゴールドマンは、当局の数値が「当社の実際の還元能力を反映していない可能性がある」と指摘し、FRBと結果について協議する計画を表明。CCARの結果公表後に、資本計画についてより多くの情報を提供する考えを示した。モルガン・スタンレーもゴールドマンと同様の見解を示した。

原題:Wall Street Clears Stress Test Hurdle With Ample Capital (1)(抜粋)

(クオールズ銀行監督担当副議長の見解などを追加します。.)
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