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【個別銘柄】銀行や紙パ株下落、グローリーも安い、武田薬は大幅高

更新日時
  • 銀行株は黒田総裁のインフレ期待の上昇否定が影響との見方
  • 紙パは5月の在庫が増加、UBSは武田薬を「買い」に格上げ

21日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  銀行株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比2.2%安の623.1円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.4%安の4309円など軒並み安。東証1部業種別指数で銀行は下落率2位。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、特に材料は出ていないとした上で、日本銀行の黒田総裁がポルトガルで開かれた欧州中央銀行のパネル討論会で、インフレ期待が上昇する可能性を否定したことが嫌気されているかもしれないと話していた。

  製紙株:王子ホールディングス(3861)が3.2%安の661円、レンゴー(3941)が2.9%安の950円など。パルプ・紙は業種別下落率トップ。日本製紙連合会が20日に発表した5月の需給速報によると、紙・板紙の国内出荷は板紙の好調持続から前年同月比0.1%増と10カ月ぶりにプラスとなったが、在庫も前年同月から4万5000トン増え、4カ月ぶりに増加した。

  武田薬品工業(4502):4.5%高の4494円。UBS証券は投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を5400円から6700円に上げた。シャイアー買収提案は戦略的というよりは好機を捉えたものとし、獲得するキャッシュフローは投資家にとって魅力的と分析。会社のキャッシュ創出能力を測る優れた指標とみているコア1株利益(EPS)は2020年3月期に買収前から45%の増加を見込む。投資家はEPS減少の可能性や借入金の増大、配当維持などを懸念しているが、むしろ21年3月期ごろには増配の可能性があると指摘した。

  ソフトバンクグループ(9984):4.6%高の8641円。野村証券はリポートで、積み上げ方式の目標株価1万3080円に対するディスカウント率は20日時点で36.9%と依然高水準で、割安感が強いとして投資判断「買い」を継続した。20日開催の株主総会で投資ファンド出資先の経営状況が説明されており、ファンドの利益や出資先企業のシナジーなどが確認されれば、今後の株価上昇のカタリストになるとの見方も示した。

  TDK(6762):3.3%高の1万1590円。SMBC日興証券は目標株価を1万5000円から1万7500円に上げた。自動車の電装化の流れの中、受動部品の売り上げが増加傾向、リチウムポリマー電池の高収益性も継続しているとし、20年3月期の営業利益予想を1411億円から1540億円に引き上げた。センサー事業は来期黒字化を見込み、微小電気機械システム(MEMS)に対する評価が変わればバリュエーションが切り上がり、株価押し上げるとみている。

  昭和電工(4004):5.0%高の4725円。21日の日本経済新聞朝刊は、中国の環境規制がもたらす特需が素材業界で生まれていると報道。黒鉛電極が主力の東海カーボンでは既に19年分まで完売し、設備改修による生産増強に着手、今年度電極価格は前年の2ー3倍に引き上げたとも伝えた。市況上昇による業績押し上げを見込む買いが入った。

  ヤマトホールディングス(9064):2.5%高の3477円。大和証券はリポートで、労務コストの負荷上昇を上回る料金是正が実現しつつある点を評価。一方、不確定要素も残り、料金適正化や再配達軽減に向けた先行費用なども踏まえ、18年度は働き方改革に伴う構造改革完遂に向けた過渡期と位置付けた。18年度営業利益は600億円と会社計画の580億円(前期比63%増)を上回ると予想。本格的な業績回復局面は19年度以降に迎えると判断、19年度予想は850億円、20年度は1020億円。

  カルビー(2229):1.9%高の4045円。21日の日本経済新聞朝刊は、カルビーが北米事業の復活の手掛かりをつかんでいると報道。19年3月期は黒字転換を見込んでいるようだとしている。専用商品の開発を通じて会員制卸売りのコストコ・ホールセールとの取引再開にめどを付け、営業体制の刷新で食品スーパーのクローガー向け売上高も3ー6月の4カ月で計画比3割増と伝えた。

  グローリー(6457):3.1%安の3115円。大和証券は投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」、目標株価を4200円から3100円に下げた。欧米小売店向け現金管理システムの成長性に変化はないが、従来予想よりも新規事業への先行投資増加や遊技機器の収益悪化が想定外と指摘。20年3月期の営業利益予想を220億円から210億円、21年3月期を250億円から235億円(会社側の中期計画は250億円)に減額した。

  スター・マイカ (3230) :8.8%高の2532円。17年12月-18年5月期の業績速報値を発表、営業利益は従来予想23億円に対して29億8100万円となったもよう。リノベマンション事業の収益力を強化、インベストメント事業では保有物件の一部売却を通じて収益機会を拡大、アドバイザリー事業は手数料収入の増強を図り収益を伸ばした。

  じげん(3679):8.5%高の869円。27日付で上場市場が東証マザーズから東証1部に変更になる。知名度や信用力の向上に加え、今後のTOPIX採用に伴うパッシブ連動資金の流入を見込む買いが入った。

  AMBITION(3300):6.9%高の1940円。1株5円を計画していた18年6月期の期末配当を16.50円にする。5月に同期業績予想を上方修正しており、これを踏まえた。同社は連結配当性向20%以上を目指す方針で、将来的には30%目標も検討している。

  ログリー(6579):20日に東証マザーズに新規株式公開し、上場2日目に付いた初値は公開価格1860円に対し2.5倍の4635円だった。記事と広告が溶け込むネイティブ広告配信のプラットフォーム「logly lift」を提供。19年3月期営業利益は前期比44%増の1億8000万円、1株利益は64.53円と計画している。終値は3935円。

  コーア商事ホールディングス(9273):21日に東証2部に新規株式公開、初値は4000円と公開価格の2670円を50%上回った。ジェネリック医薬品原薬の輸入、販売を手掛けるコーア商事、ビタミン剤など医薬品製造や販売を行うコーア製薬などを傘下に持つ持株会社。18年6月期の営業利益計画は前期比18%減の13億2200万円、1株利益246.24円を見込む。終値は3605円。

  SIG(4386):21日にジャスダックに新規株式公開。公開価格2000円に対し2.3倍の4665円の初値が付いた。鉄鋼や自動車など製造業向け設備制御、生産管理システムの開発・保守といったシステムインテグレーションを中心にITインフラ、セキュリティーサービスを提供する。19年3月期の営業利益計画は前期比2.4%増の3億1300万円、1株利益105.35円を見込む。終値は4820円。

  ZUU(4387):21日に東証マザーズへ新規株式公開した。公開価格1600円の2.3倍に相当する3680円買い気配のまま終了。富裕層向けの資産運用支援プラットフォームを展開、金融機関と転職希望者の金融特化型リクルーティングの支援なども行う。19年3月期の営業利益計画は前期比2.4倍の1億7100万円、1株利益51.45円を見込む。

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