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債券上昇、米中の貿易摩擦や国内物価の鈍化が支え-日銀オペ減額なし

更新日時
  • 先物は5銭高の150円85銭で終了、30年債と40年債の利回りが低下
  • 貿易摩擦の激化で景気下押しの懸念広がる-三井住友AM

債券相場は上昇。米国を巡る貿易戦争への懸念から株安・債券高となった海外市場の流れを引き継ぎ、買いが先行した。国内インフレ率の鈍化や日本銀行が国債買い入れオペを減額しなかったことも相場の支えとなった。

  22日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比3銭高の150円83銭で取引を開始。午後は150円87銭まで上昇し、結局は5銭高の150円85銭で引けた。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員は、「米国を巡る貿易摩擦の激化もあって、世界経済が踊り場入りやピークアウトするのではないかとの警戒感が徐々に広がり、相場の雰囲気が変わりつつある」と指摘。金利には低下方向の要因であり、もし新たなリスクオフ材料が加われば、長期金利はマイナス圏が視野に入る可能性もあると述べた。

長期国債先物相場の推移

  現物債市場で新発30年物58回債利回りは0.71%、新発40年物11回債利回りは0.865%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値とともに横ばいで始まり、午後に0.5ベーシスポイント(bp)低下した。

  総務省がこの日発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.7%上昇。生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.3%上昇と前月より伸びが鈍化。日銀が目指す2%は一段と遠のいた。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債不成立
5年債-0.115%変わらず
10年債 0.030%変わらず
20年債 0.500%変わらず
30年債 0.705%-0.5bp
40年債 0.860%-0.5bp

  日銀はこの日、残存期間1年超3年以下と3年超5年以下、5年超10年以下の長期国債を対象に買い入れオペを実施。市場の需給状況を映す応札倍率は3年超5年以下と5年超10年以下で前回とほぼ同じだった。

過去の国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  21日の米国債相場は上昇。10年国債利回りは前日比4bp低い2.90%程度で引けた。ドイツのダイムラーが米中間の貿易摩擦を理由に今年の利益見通しを下方修正したことを受け、世界貿易・経済見通しに対する不安から株価が下落した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が貿易摩擦は経済成長を脅かしかねないと懸念を示したのに対し、ロス米商務長官は21日に反論した。中国はトランプ米大統領による最新の関税警告が実体化した場合、反撃するとあらためて表明。一方で米政権では一部当局者が中国との協議再開を目指していると報じられた。

  三井住友アセットの深代氏は、「トランプ米大統領も株価や景気を悪くしたい訳ではないので、どこかで政治的な妥協点を模索する姿勢に変わるかが焦点」とみる。

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