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日経平均が続伸、円安受け輸出一角堅調-下落率上位には地銀株ずらり

更新日時
  • FRB議長が利上げの正当性主張、個人マネーは新興市場に流れる
  • 銀行株安が終日重し、日銀総裁発言が一因と三井住友アセット市川氏

21日の東京株式相場は、日経平均株価が続伸。為替の円安推移を材料に機械や電機など輸出株の一角が堅調、アナリストが割安と指摘したソフトバンクグループなど情報・通信株も高い。半面、東証1部の下落率上位を地方銀行が占めるなど銀行株は安く、相場全般の重しとなった。

  日経平均株価の終値は前日比137円61銭(0.6%)高の2万2693円04銭。TOPIXは2.12ポイント(0.1%)安の1750.63と小幅ながら反落した。

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、米国による「中国製品への2000億ドルの関税賦課のニュースはいったん消化した。過度にリスク回避にならないとの見立てが円安や株価堅調につながった」と指摘。一方で、トランプ米大統領のやり方から「関税規模が2000億ドルから3000億ドル、4000億ドルに膨らむリスクは誰もが考えている。海外ファンドなどのほかに主なプレーヤーがいないことがきょうの方向感のない相場展開を招いた」とみていた。

Tokyo Stock Exchange and Stock Boards As Japan Shares Dip With Banks As Volatility Returns to Markets

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの日本株は小安く始まった後、午前前半はもみ合い、日経平均は前引けから午後にかけ上昇傾向となった。支援材料となったのが為替動向だ。きょうのドル・円は一時1ドル=110円70銭台と、前日の日本株終値時点110円22銭から円安方向に振れた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は20日の講演で、「失業率が低く、さらなる低下も見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡している」と言及。米経済の持続的な成長軌道を維持するための利上げの正当性を主張した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、「1ドル=110円台と期初の105円から円安で落ち着いていることは好材料。今期の企業収益は、純利益が小幅増で着地できる期待が持てる」と言う。

  一方、TOPIXは結局マイナスで終えるなど相場全体に迫力はなく、東証1部の売買高は前日に比べ12%、売買代金は約9%減少。TOPIXの押し下げ寄与度で1位、下落率で2位となったのは銀行株だ。3メガバンクがそろって安く、東証1部下落率上位には山梨中央銀行やトモニホールディングス、ほくほくフィナンシャルグループなど地銀株が並んだ。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、特に材料は出ていないが、「強いて挙げれば、日銀の黒田総裁がインフレ期待が上昇する可能性を否定したことが嫌気された」とみていた。日本銀行の黒田東彦総裁は20日、ポルトガルでのパネル討論会で、物価目標の達成に向け、3%の賃上げを求める政府の要請はかなり適切だと指摘。インフレ期待が突如上昇する可能性は非常に低い、などとも発言した。また市川氏は、米中貿易問題の不透明感などから「機関投資家が主力株の売買を見送る一方、新興市場に個人中心の投資資金の流入が続く可能性が高い」とも話していた。この日の東証マザーズ指数は1%高と続伸。

  東証1部33業種は機械、情報・通信、サービス、ガラス・土石製品、医薬品、石油・石炭製品、電機など13業種が上昇。下落はパルプ・紙や銀行、電気・ガス、その他金融、証券・商品先物取引、鉄鋼、建設など20業種。野村証券が株価の割安感が強いと投資判断「買い」を継続したソフトバンクグループ、UBS証券が強気判断に上げた武田薬品工業が高い。これに対し、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、日東電工は安い。

  • 東証1部の売買高は14億251万株、売買代金は2兆5003億円
  • 値上がり銘柄数は713、値下がり1303
日経平均株価と東証銀行株指数の推移
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