日本株3日ぶり反発、アジア株上げリスク回避和らぐ-医薬や食品高い

更新日時
  • 19日の米ダウ30種平均は一時400ドル超安、終値は下げ渋る
  • 鉱業や鉄鋼、海運、商社株など貿易関連セクター、銀行株は下落

20日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。香港や上海などアジア株の上昇を受け、午後の取引で行き過ぎたリスク回避姿勢を修正する動きが強まった。米国と中国の貿易摩擦懸念は根強いが、為替の円高一服なども投資家心理にプラスに働いた。医薬品や食料品などディフェンシブ株が高い。

  TOPIXの終値は前日比8.83ポイント(0.5%)高の1752.75、日経平均株価は276円95銭(1.2%)高の2万2555円43銭。

  第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、「海外市場では米国と中国の通商面での対立激化を連想させるニュースがなく、トランプ米大統領による中国への2000億ドルの関税賦課の言及でろうばいして売った向きが買い戻した」とみている。米中間の交渉がどう転ぶのか全く読めない状況なだけに、「日本企業の業績悪化を織り込んで株売りを仕掛けるのも困難」と言う。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米中貿易摩擦が深刻化するとの懸念から、19日の米国株はダウ工業株30種平均が一時400ドル以上下落。S&P500種株価指数も1%以上下げたが、終値では下げ渋った。米10年債利回りは2.9%と2ベーシスポイント低下。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は1日以来、およそ2週ぶりの水準に上昇した。

  前日に日経平均が400円以上下げた反動やボリンジャーバンドなど一部テクニカル指標が目先反発を示唆するゾーンにあったことなどで、きょうの日本株はTOPIXとともに反発して開始。しかし、米中関係や海外市場への警戒感がくすぶり、午前はマイナス圏で推移する時間帯も長かった。

  午後に入ると徐々に上昇基調を強め、大引けにかけ先物主導で一段高。日経平均の上げ幅は一時300円を上回った。前日は3%以上急落した中国上海総合指数がプラス転換したほか、香港株も上昇するなどアジア株高が投資家の不安心理を和らげた。きょう午後のドル・円はおおむね1ドル=110円台前半で推移、前日に一時109円50銭台まで進んだドル安・円高の動きも一服した。

  アストマックス投信投資顧問の山田拓也執行役員は、「米国の景況感悪化や株価急落といった負の側面が見えてこない限り、トランプ大統領の強気の通商交渉は変わらず、金融市場のリスク回避の傾向はしばらく続く」と懸念を示しつつ、米国が緩やかに利上げに動く一方、日本は金融政策正常化が見えない状況で、「金融政策のベクトルの違いを反映すると、急激な円高もなさそうだ。日本株から資金が一気に流出するとはみていない」とも話した。

  東証1部33業種は医薬品、電気・ガス、食料品、その他金融、情報・通信、精密機器、サービス、小売など23業種が上昇。下落は鉱業や鉄鋼、海運、銀行、卸売、非鉄金属、保険、輸送用機器など10業種。相対的に貿易関連や金利敏感セクターが売られた。売買代金上位では、シティグループが投資判断を「売り」から「買い」に2段階上げた第一三共のほか、ソフトバンクグループやSMC、キリンホールディングス、テルモが高い。半面、資生堂や昭和電工、国際石油開発帝石、JFEホールディングスは下げ、米メーカーの筋ジストロフィー競合薬が良好な試験結果を公表し、日本新薬は大幅安。

  • 東証1部の売買高は15億9054万株、売買代金は2兆7348億円
  • 値上がり銘柄数は1287、値下がり728
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