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中国、米関税に官僚主義で報復か-多額の対中投資に付け入る余地

  • 通関手続きの遅れや当局の調査強化など、過去に日韓企業も苦しむ
  • 米国企業、中国での売上高と投資額はその逆を大きく上回る
習近平国家主席

習近平国家主席

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
習近平国家主席
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

トランプ米大統領が中国製品に対する関税賦課拡大で攻勢に出る一方、中国は米国製品の輸入額がそれほど大きくなく、同等には対抗できないと考えられている。それでも中国が別の報復手段で米企業を苦しめる方法はある。

  アップルやウォルマート、ゼネラル・モーターズ(GM)など中国で展開する米企業はすべて、事業をさらに拡大させたい意向だ。ここに中国側の付け入る余地が生まれる。つまり、トランプ政権が中国製品に対する追加関税を発動すれば、通関手続きの遅延や税務監査、規制当局の調査強化などを通じ、米企業に報復することが可能になる。

  米国が昨年、中国に輸出したモノの総額は1300億ドル(約14兆3000億円)にすぎず、トランプ大統領が追加関税適用を示唆する中国製品の輸入額2500億ドルに及ばない。だがドイツ銀行によると、米企業の輸出と中国国内での売り上げの両方を計算に入れた場合、米国は中国との商取引で200億ドルの黒字を上げている。

トランプ大統領が新たな関税リストを公表する意思を示したことに対し、中国は強力な報復措置を取ると警告

(出所:Bloomberg)

  在中国米国商工会議所のウィリアム・ザリット会頭はブルームバーグテレビジョンに対し、官僚主義的な手段で企業に圧力をかけるやり方は「中国が長年講じてきた手法で、米国企業は警戒している」とし、「間違いなく憂慮すべきことだ」と語った。過去には日本企業や韓国企業が外交関係悪化の余波で、こうした措置の影響を被った。

  習近平国家主席の戦術には、数字の後押しもある。中国に対する米国の投資額は、その逆をはるかに上回る。中国国際金融(CICC)のアナリスト、劉リュウ氏と梁紅氏が19日発表したリポートによると、2015年に米企業が中国で保有していた資産は6270億ドル、中国での売上高は4820億ドルに上っていたのに対し、中国企業が米国で保有する資産は1670億ドル、米国での売上高は260億ドルだった。

  日韓企業の前例を踏まえれば、最も脅かされる業種の一つは自動車だ。他の外国自動車メーカー同様、GMやフォードは中国での生産に多額の投資を進めてきた。ブルームバーグ・インテリジェンスによると、GMは昨年の利益のおよそ25%、フォードは約12%をそれぞれ中国で稼いでいる。上海工場の建設を計画するテスラと当局の交渉にも影を落とす恐れがある。

Cars in the Firing Line

Effect of geopolitics on car sales in China

Source: Bloomberg Intelligence

Note: Shows y/y change of the 3-month trailing average

原題:Xi Can Make Life Difficult for U.S. Companies After Trump Threat(抜粋)

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