円全面高、米中報関税合戦激化でリスク回避-対ドルで1週間ぶり高値

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  • トランプ大統領が2000億ドルの対中追加関税を警告、中国も報復示唆
  • ドル・円は109円台半ば、豪ドル・円は4月以来の80円台に突入

東京外国為替市場では円が全面高。米中による関税の報復合戦激化を背景にリスク回避の動きが加速し、ドル・円相場は約1週間ぶりとなる1ドル=109円台半ばまで円高が進んだ。

  19日午後3時37分現在のドル・円は前日比0.8%安の109円64銭。トランプ米大統領が2000億ドルの対中追加関税を警告したことを受け、110円台半ばから110円ちょうど付近まで下落。さらに、中国が米国の追加関税に対し強硬な対抗措置を取る可能性を示唆すると円買いが加速し、午後には109円55銭と11日以来の円高値を付けた。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、「年初からあった米国の税制改革による盛り上がり、楽観的な見方が吹き飛んでいる。米中の貿易戦争の話でリスクは確実に取りにくくなっている」と指摘し、「新興国にとっても良くなる地合いではない。リスク回避の円買いというのがマーケットを支配するのではないか」と話した。

  トランプ大統領は18日夜の声明で、10%の追加関税の対象とする2000億ドルの中国製品を特定するよう通商代表部(USTR)に指示したと発表。この新たな関税を実施して中国が再び報復措置を講じた場合は、さらに2000億ドル相当の中国からの輸入品に関税を課すとした。中国商務省は19日、米国が新たな関税の製品リストを公表すれば、「強力な」報復措置を取るだろうとの声明を発表した。

  米中貿易摩擦激化への懸念から19日のアジア市場ではリスク回避の動きが広がった。アジア株はほぼ全面安となり、上海総合指数は2年ぶり安値を付け、日経平均株価は401円安で取引を終えた。また、米10年債利回りは時間外取引で一時2.86%と5ベーシスポイント(bp)低下。外国為替市場では円やスイス・フランが買われる一方、新興国通貨や資源国通貨が売られ、南アフリカランドは対円、対ドルで昨年11月以来の安値を更新した。

  豪ドル・円は前日比1%以上円高が進み、4月以来となる1豪ドル=80円台。ユーロ・円は前日比で1円を超える円高で、5月末以来の水準となる1ユーロ=127円11銭を付けた。

  この日はポルトガルのシントラで開かれている欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムでドラギECB総裁の講演が予定されている。野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストはリポートで、「ドラギ総裁は昨年のこのフォーラムでの『デフレ脱却宣言』で急激なユーロ高を招いただけに、今回は安全運転に終始する公算が大きい」と指摘した。

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