サッカーノミクス:予測の落とし穴、忘れられている引き分けの存在

サッカーのワールドカップが先週開幕したが、優勝への道のりを予想するファンは大きな過ちを犯している。ブルームバーグ端末の組み合わせ表に予想を入力したユーザーの多くは、ゲームには2種類ではなく、3種類の終わり方があるということを忘れているようだ。勝ちと負け、そして引き分けは、ワールドカップのグループステージにもある。

  ブルームバーグ端末に予想を入力した約2万8000人は、ワールドカップでは引き分けが少なくないことを十分に認識していない。グループステージ48試合のうち、引き分けが予想されているのは平均6試合。過去4大会の平均では、この2倍の12試合が引き分けに終わっている。今回の予想では4分の1近くが、引き分けがまったくない展開を想定している。

  一体どういうことなのか。行動経済学に答えがないか探ってみた。

引き分けは存在しない

ワールドカップ、ファンは実際より少ない引き分けを予想する傾向

出所:FIFA・ドット・コム

  一つにはわれわれの受け止め方に偏りがあることが理由だ。心躍るような勝利や、予期せぬ番狂わせは記憶に強烈に残る一方、比較的頻繁に起こる引き分けについてわれわれは忘れてしまいがちだ。

  ペンシルベニア州立大学のラン・ショアラー経済学教授は、インセンティブのミスマッチを要因に指摘する。ワールドカップの勝敗表だと、予想を外しても失う物は限られている。しかも他の参加者と同じことをしていれば勝てない。「奇想天外な予想を立てて大負けしても、僅差で予想を外しても結果は同じだ」とショアラー教授。「破産するのが分かっているなら、いくら借金を返済できるかどうか関係ないのと同じだ」と説明した。

  もう一つ考えられるのは、単に自信過剰になっている可能性だ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのイグナシオ・パラシオスフエルタ教授は、スポーツ好きは臆病者とみられることを好まないものだと指摘する。「引き分けとはある意味、過信やリスクテークと正反対の考えを反映する」と述べた。

  そして、勝者を選ぶほうが当然、引き分けより楽しいはずだとイエール大学経営大学院のトビアス・モスコビッツ教授は認めている。

原題:Soccernomics: The Mistake You Made in Your World Cup Brackets(抜粋)

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