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中国の先端産業台頭を阻む米戦略は成功しない-エコノミストの見方

  • 中国の輸出先は米国以外にもたくさんある-トリビアム・チャイナ
  • 中国は産業政策の取り組みをあきらめない-オックスフォード
トランプ大統領と習近平国家主席

トランプ大統領と習近平国家主席

Photographer: DOUG MILLS
トランプ大統領と習近平国家主席
Photographer: DOUG MILLS

トランプ米大統領の対中関税の目的の1つは、先端産業分野で優位を目指す中国の計画を阻止することだ。しかしエコノミストらはこうした米国の戦略が失敗に終わるとみている。

  トランプ政権の関税対象リストには、中国が先進工業大国になるために不可欠な機械や電子機器、金属、化学製品、輸送用機器といった品目が含まれている。

  しかし、こうした中国からの輸入品に追加関税を課して価格を若干高くすることで、ロボットやバイオテクノロジー、量子コンピューターといった分野での中国の習熟を阻止できるほど大きな打撃を与えられるかは疑問だ。

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トランプ大統領

写真家:Andrew Harrer / Bloomberg

  調査会社トリビアム・チャイナの共同創業者、アンドルー・ポーク氏は、「米国は中国の輸出を制限することによって、バリューチェーン(価値連鎖)を高める中国の能力に影響を及ぼせると考えているが、それは間違いだ。中国の輸出先は米国以外にもたくさんある」と指摘した。

  オックスフォード・エコノミクスのアジア経済責任者、ルイス・クイジス氏は、中国は中程度から先端の技術を応用した製品を輸出しているが、米国向けではないと述べた上で、米国の戦略は、関税を用いて中国が掲げる産業政策を断念させるというものたが、この政策は中国の発展戦略の根幹部分であるため、中国があきらめることはないと説明した。

  コーネル大学のエスワール・プラサド教授は、関税は米国にとって切れ味が悪く、恐らく効力のない措置だと指摘。中国が米国から輸入するモノとサービスの構成を考えると、中国の先端産業分野での野望をくじくのに直接役立つ手段を米国はほとんど有していないとし、さらに、中国が必要としている製品に関税を課せば、技術革新や中間投入物の調達の面で中国に自立を促す可能性があると述べた。その上で同教授は、米国にとってより良い戦略は、中国の強制的な技術移転や知的財産権保護の問題で米国と同じ懸念を抱いている中国の貿易相手国の多くと、幅広い同盟を構築することだと主張した。

原題:Trump’s Shot at China’s Industrial Rise Won’t Work, Say Analysts(抜粋)

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