5月貿易収支3カ月ぶりの赤字、原油価格上昇で輸入増加

更新日時
  • 貿易収支は5783億円の赤字、前年より赤字幅が拡大
  • 輸出は8.1%増の6兆3233億円、輸入は14%増の6兆9016億円
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、5月速報で3カ月ぶりの赤字となった。原油価格が上昇し、輸入額を押し上げた。財務省が18日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は5783億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2052億円の赤字)-前月は6246億円の黒字
  • 輸出は8.1%増(予想は7.5%増)の6兆3233億円と18カ月連続の増加-前月は7.8%増
  • 輸出数量指数は4.2%増と3カ月連続の増加
  • 輸入は14%増(予想は8%増)の6兆9016億円と2カ月連続の増加-前月は5.9%増



背景

  米国が3月に導入した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税措置を契機とした世界の貿易摩擦は、輸出を回復のエンジンとする日本経済に影を落とす。8-9日にカナダで行われた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、各国が米国に対し撤回を迫ったが成果は得られず、貿易問題を巡る対立が激化する形となった。

  米トランプ大統領は首脳会談直後に「米国市場にあふれる」自動車への関税を検討するとツイート。同大統領は5月、乗用車とトラック、車両部品の輸入について安全保障上の調査を開始するよう指示していた。

  国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は11日、主要先進国の間で貿易戦争の脅威がより明確になる中で、世界経済へのリスクが増していると指摘した。

エコノミストの見方

  • 農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は電話取材で、輸入増加は強い国内需要を反映しており、貿易赤字は「悪いことではない」と指摘。輸出は世界経済の影響を受け「着実に増加傾向にある」と分析した。対米輸入は増加したものの、米からは2国間協議を求める圧力は続くとみている。
  • 明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは電話取材で、輸入の増加は原油価格上昇と円安の影響が大きいとの見方を示した。輸出数量は増加しており、「堅調推移が続いている」とみる。今後の注目点として、欧州景気の動向を挙げた。

詳細

  • 輸出増に最も寄与した自動車は7.1%増、中東や欧州向けが増加
    • UAE向けに3000CC超、英国向けに1000-1500CCが増加
  • 原粗油輸入は28.6%増
  • 対米黒字額は17.3%減-輸出5.8%増、輸入19.9%増
    • 自動車の完成車輸出が減少する一方、現地生産向け自動車部品輸出が増加
    • 米国向け鉄鋼輸出は数量ベースで18.2%減、価格ベースで18.6%増
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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