メルカリ、米イーベイなど既存勢力が壁に-世界制覇には克服不可欠

  • 日本での成功例、世界市場での再現に期待感-中古品オンライン市場
  • 株式上場前に人気沸騰、米での成功実現しないなら失望感も

日本のユニコーン(企業価値1000億円超の未公開企業)企業として19日に株式新規公開(IPO)するメルカリが目指すのは海外事業の拡大だ。世界で羽ばたくにはまず、既に参入している米国市場での成功が鍵になる。

  米中古品売買仲介市場は、従来からイーベイやアマゾン、クレイグスリストが手掛けていたが、現在はオファーアップ、レットゴー、ウィシュ、ポッシュマークなどの新興勢力がスマートフォンアプリなどを使い追い上げる激戦区。メルカリは創業翌年の2014年9月に米市場に参入したが、米国事業まだ赤字だ。

メルカリのアプリ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  
  GGVキャピタルのマネジング・パートナーであるハンズ・タン氏は、メルカリが浸透すれば米国市場は「混乱する可能性がある」と指摘。スマートフォンを利用した取引プラットホームは「確かに日本で成功しており、米国でもそれは決定的だろう」との見方を示した。

  米国のユニコーンとされる配車サービスのウーバーや民泊サイトのエアビーアンドビーは世界制覇を目指し日本にも参入。しかし、事業拡大には既存の国内勢力や厳しい規制が壁となっている。同様に日本でユニコーンに育ったメルカリが世界で活躍するには、競争の激しい米市場でライバルや地域の商習慣と戦う必要がある。

米アクティブユーザー2%か

  日本ではスマホの普及に合わせ積極的な広告で若い女性を中心にフリマアプリを浸透させた。18年3月時点での日本での累計ダウンロード数は7100万件、月間アクティブユーザ-(MAU)は1030万人(1-3月の平均)、米国のダウンロード数は3750万件、米国MAUは未発表。

  目論見書を基にメルカリの国別定着率を推計した松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、同社のアプリダウンロード後、月に1度以上利用するアクティブユーザーになる比率は日本の10%程度に対し、米国は2%以下であると推計。「米国ではまだ成功の方程式がつかめていない」と分析している。

  経済評論家の加谷珪一氏は、米国について「リユース市場が発達している上、リアルビジネスの場としても自宅のガレージで中古品を売る人もライバル」で競争は激しいと指摘。上場時の時価総額4000億円超には、北米での成功への期待が織り込まれており、失敗すれば株価への失望感も浮上しかねないとしている。

気軽な存在

  米国事業はスウェーデン出身のジョン・ラーゲリン取締役が取り仕切る。日本で東京大学大学院で論文研究した。NTTドコモに入社後、グーグル、フェイスブックなどの米IT大手を経て、山田進太郎会長からのスカウトに応じて17年6月にメルカリに移籍した。米国ではサンフランシスコとポートランドで150人が働く。

  ドイツ証券の風早隆弘シニアアナリストは、「無駄なモノを他人に売ることで、よりシンプルにスマートに生活したいという欲求が米国でも受け入れられる素地がある」と指摘。近藤麻理恵氏の片付けノウハウが全米で話題となり広がったように、メルカリも日本発の断捨離の一手法として注目を集めているとみている。

  メルカリのアプリを1年利用している米ワシントン州のブランドン・ハリス氏はメルカリについて、「大勢の人々がいる公式店舗」のようなイーベイに比べ利用者にとって敷居が低いと感じている。家庭的で安いアイテムも多く出品され使い勝手も良く、「仲の良い隣人に物を売るような感覚だ」と述べた。

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