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Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg
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【来週の日本株】小幅続伸、米経済好調とドル高推移

  • 米実体経済好調を再評価、米金利3%と為替110円での安定見込む
  • 米国の保護主義政策には警戒必要、7月からの日米貿易協議に注目
A pedestrian is reflected in an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Tuesday, Feb. 6, 2018. Japan’s blue-chip Nikkei 225 Stock Average entered a correction as the nation’s shares posted the biggest decline since November 2016, following U.S. peers lower amid rising concern that inflation will force interest rates higher.
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

6月3週(18ー22日)の日本株は小幅ながら3週続伸しそうだ。米国経済の好調に伴い為替がドル高方向で推移し、輸出セクター中心に企業業績に楽観的な見方が広がる。半面、米国の対外保護主義政策の姿勢をリスク視する向きは多く、株価指数の上値は限定的となる可能性が高い。

  米国・北朝鮮の初の首脳会談や日米欧3極の金融政策決定会合といった重要イベントを波乱なく通過し、市場参加者の視線は足元良好な米経済の動向に向かう。三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「米国では製造業の設備投資が好調を維持し、ことしの経済成長率は3%程度まで期待できるが、日本株市場は米経済の底堅さを十分に織り込んでいない」とし、再び日経平均株価が2万3000円に乗せる展開を予想した。米国では19日に5月の住宅着工件数、20日に中古住宅販売件数、21日に景気先行指数が公表予定だ。

President Trump Hosts Japanese Prime Minister Shinzo Abe At The White House

日米首脳の後ろ姿

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  米長期金利や為替の落ち着きもプラス要因になる。米連邦公開市場委員会(FOMC)ではことし2度目の利上げが決まり、2018通年の利上げ予測は4回に上方修正されたが、米10年債利回りは2.9%台でもみ合い。ドルは対円で5月29日の1ドル=108円11銭を直近安値に反発トレンドが続く。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「日本企業の今期経常利益は7ー8%程度の増益が見込まれ、為替の安定が今後の上方修正期待につながる」と言う。

  一方、米国の通商政策には引き続き警戒が必要だ。トランプ米大統領は約500億ドル(約5兆5300億円)相当の中国からの輸入品に対する制裁関税を承認、日米間では7月にも新たな貿易協議「FFR」が茂木敏充経済再生相とライトハイザー米通商代表との間で開かれる予定となっている。第2週の日経平均は週間で0.7%高の2万2851円75銭と続伸した。

≪市場関係者の見方≫
ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「目先の心配材料だった金融政策を通過し、株式市場が本当のファンダメンタルズ要因に沿った動きとなれば、上昇しやすい。米国の金融政策は極端にタカ派的にならず、欧州も引き締めに向かうなら日本銀行も何らかの形でという話はあったが、日銀が出口戦略にかじを切る必要性はなくなった。米国では、景気はこの2ー3カ月順調さが加速する方向になっているが、利上げは加速していない、米景気の強さは日本株にもプラスに働く。米中貿易摩擦がどうなるか分からないが、多くは対話方向に動いており、4月までのように対立が深まるようにはなりにくい」

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
  「米国景気はインフレが抑制される中、個人消費がけん引する安定成長が維持され、割安な日本株は自然体で買われやすい。米朝首脳会談や日米欧金融政策を波乱なく通過し、米国の良好なファンダメンタルズがフォーカスされやすい、利上げピッチは加速せず、米長期金利は3%近辺、為替は1ドル=110円といった水準でしばらく落ち着きそうだ。日経平均の予想PERは直近でアベノミクス以降の平均的なレンジ14ー16倍を下回り、割高感はない。予想1株利益1670円の14倍は2万3380円となり、2万3000円台前半から半ばまでは抵抗なく戻りそうだ」

JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「中間選挙を控えるトランプ米政権の通商政策について、日本に対してもいよいよ強硬姿勢で臨んでくるとの警戒感が広がりそう。日米間の新たな通商協議では農業や自動車問題の議論に注目する。日本からの輸出数量抑制の思惑が広がることに警戒が必要で、円安批判が高まる可能性もある。22日のOPEC総会でサウジアラビアがイランとベネズエラの減産分を補い増産するとなれば、需給悪化懸念で原油価格が下落しそう。原油安に伴うエネルギーや資本材セクターの下げが米国株全体を押し下げるリスクを秘める」

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