ドラギ総裁の利上げへの長い道のり、次期総裁に委ねる可能性も

  • 総裁の見通し、来年前半にも利上げと見込んでいた市場に驚き広がる
  • 債券購入年内終了でも新たな政策ガイダンスはハト派的

ドラギ総裁は欧州中央銀行(ECB)が最終的には利上げにたどり着くよう道筋をつけたが、利上げを実施するのは次期総裁になるかもしれない。

  2019年10月末に任期満了となるドラギ総裁は14日、政策金利を主要政策手段とする従来の規範に回帰する方向へとかじを切った。ドラギ総裁はマイナス金利でも単独ではインフレと経済を回復させられないことから、この4年間は債券購入を主要政策手段としてきた。

  ECB政策委員会は6月会合で、資産購入は年末までに段階的に終了すると発表。債券購入を取りやめても大丈夫なほど、ユーロ圏経済の勢いが強まっていると示唆した。しかし、投資家を驚かせたのは、「少なくとも2019年の夏の終わりまで」政策金利を現在の過去最低水準に据え置くという方針表明だった。市場では、早ければ来年前半の利上げもあり得ると予想していた。このためユーロは一時1%余り下落した。ただECBは、米金融当局の債券購入プログラムの終了観測で米国債利回りが急上昇した13年のいわゆる「テーパータントラム」の再現は避けることができた。

  J・サフラ・サラシンのエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は、「これは私が予想できた中で最もハト派的な正常化だった」と指摘した。

  ドラギ総裁は就任後、まだ一度も利上げを行っていない。しかし任期中に利上げを実施することになれば、量的緩和縮小(テーパリング)を14年に終了してから1年2カ月後にようやく政策金利を引き上げた米当局よりもかなり早く利上げに踏み切ることになる。

  ただ利上げを行うには物価回復が遅過ぎるとECBが判断した場合は、金融政策引き締めは次期総裁に委ねられることになる。ブルームバーグの調査によれば、次期総裁の最有力候補は超低金利政策を長年批判してきたバイトマン・ドイツ連邦銀行総裁だ。

債券購入の変更などについて語るドラギECB総裁

出所:ブルームバーグ

原題:Draghi’s Winding Road to Rate Increase Leads to Successor’s Door(抜粋)

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