債券上昇、日銀が物価の現状判断下げ-ECBの低金利長期化も支え

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  • 先物は1銭高の150円77銭で終了、超長期債利回りが低下
  • 日銀会合は織り込み済みも、無事通過で超長期債に買い-岡三証

債券相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)による低金利政策の継続方針を受けて米欧の長期金利が低下したことや、日本銀行がこの日の金融政策決定会合で物価の現状判断を下方修正したことも加わり、午後は買いが優勢となった。

  15日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比横ばいの150円76銭で取引を開始。午前は5銭安の150円71銭に下げる場面があったが、午後は150円83銭まで上昇。結局は1銭高の150円77銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀の現状維持は織り込み済みだったとは思うが、無事に会合を通過したためか超長期が買われ、先物にも買い戻しが入っている」と指摘。「7月の展望リポートで物価見通しをどうするかだが、これ以上の緩和は副作用の問題もあり、当面は政策を変える理由がない」とみている。

  現物債市場では新発20年物164回債利回りと新発30年物58回債利回り、新発40年物11回債利回りはいずれも日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいで寄り付き、午後に低下した。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債
5年債-0.115%変わらず
10年債 0.035%変わらず
20年債 0.505%-0.5bp
30年債 0.715%-0.5bp
40年債 0.870%-0.5bp

  日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針を維持した。一方、会合後に公表した声明文で、足元の物価上昇率は「0%台後半となっている」として、4月の「1%程度」から変更した。

米欧は金融正常化へ

  ECBの政策委員会は14日、債券購入の月額を10月から150億ユーロ(約1兆9300億円)に減らし、12月で終了するとともに、満期償還金の再投資は長期にわたって続けることで合意した。ただ、政策金利は少なくとも来年夏の終わりまで現行水準に据え置くと表明。市場予想よりも遅い利上げ見通しを受け、ユーロは主要10通貨のほぼ全てに対して下落した。

  前日の米国債相場は上昇。10年国債利回りはECBの政策決定とドル高を背景に3ベーシスポイント(bp)低い2.94%程度で引けた。15日の時間外取引では2.93%前後で推移している。

  岡三証の鈴木氏は、「米長期金利もどんどん上昇していく状況ではなく、各年限とも3%に収れんという感じ。若干の金利上振れすることもあろうが、基本的にはフラット(平たん)化が続きそう」とみる。

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