北の核より恐いのはトランプ大統領の爆発か-共同声明では「黙認」

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  • 核保有を宣言しているインドとパキスタンと米国は共存してきた
  • 北は核兵器を廃棄すると言い続けるトランプ氏こそ心配との指摘

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は核兵器をまだ一切廃棄していないが、トランプ米大統領は北朝鮮による核の脅威は終わったと表明し、米国民に「安心して」眠ろうとツイートした。

  こう世界に向け語り掛けたトランプ大統領は、核武装した北朝鮮と共存していくつもりかもしれないとの見方が一部で浮上している。国連安全保障理事会の常任理事国以外ではインドとパキスタンが核保有を宣言しているが、米国はこの2カ国とこれまで共存してきた。

トランプ米大統領

撮影:Saul Loeb / AFP via Getty Images

  米ミドルベリー国際大学院モントレー校(MIIS)で東アジア不拡散プログラムを担当しているジェフリー・ルイス氏は、シンガポールでの米朝首脳会談前には北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」を巡り米国は厳しい姿勢を示していたが、12日の会談後に発表された曖昧な共同声明にはこうした文言は盛り込まれず、北朝鮮の核計画を事実上「黙認」している文書となっていると指摘した。
  

ポンペオ米国務長官

撮影:SeongJoon Cho / Bloomberg

  同氏は「それで世界が終わるとは思わない。われわれは今すでにそうして生きている」と述べた上で、「私が懸念しているのはトランプ大統領が金委員長は核兵器を廃棄すると言い続けることだ。その大統領がある日突然目覚め、実際には何が起きているのかを認識すれば、爆発するかもしれない。そうなれば本当に厄介な状況になる」との分析を示した。

北朝鮮の弾道ミサイルを金委員長が視察

出典:ゲッティイメージズを通じてKCNA / AFP

  トランプ大統領の外交政策を支持することが多いワシントンのシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)でさえ、米朝共同声明に対する評価を留保している。検証可能な非核化に向かう「小さな一歩であるのかどうか、あるいはトランプ政権が別の結果を受け入れる兆しであるのかどうか、見極めるのは難しい」とコメントした。

原題:Trump-Kim Deal Signals North Korea May Never Give Up Its Nukes(抜粋)

(最終段落にシンクタンクの見方を追加して更新します.)
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